近本が藤浪の151キロ撃ち&即二盗 同級生・新旧ドラ1対決制した
「阪神紅白戦、紅組7-1白組」(11日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
阪神のドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が11日、紅白戦に白組の「2番・左翼」で先発出場。初回1死で、藤浪の151キロ直球を左前へはじき返すと、盗塁もマーク。一方でアウトカウントを間違えて併殺となったミスを猛省。収穫だけでなく、苦い経験も外野の定位置獲得への糧とする。
埋め尽くされたスタンドの熱気が一気に高まった。近本-藤浪の同級生による新旧ドラ1対決。右腕が投じたこの日最速の151キロ直球に食らいつき、鋭い打球を左前へ。一塁ベース上でマルテに背中を叩かれ、ねぎらわれたルーキーに軍配が上がった。
初回1死の第1打席。内角への真っすぐ2球を見逃して簡単に追い込まれた。だが、冷静に対応。3球目のボールになる低めフォークを見送ってカウント1-2。「自分の思っていたのとは違う球とコースだったので、当てることが精いっぱいでした」としながらも外角への剛球に反応。コンパクトなスイングで逆らわずにはじき返し、鮮やかに三遊間を破った。
50メートル走5秒8の韋駄天(いだてん)ルーキー。塁に出ると本領を発揮した。続く鳥谷の打席で初球にスタート。すぐさまトップスピードに乗ると、二塁へスライディングを決めて盗塁を成功させた。「前は1球目に走れなかったので、絶対に1球目に走ってやろうと思っていた。走れてよかった」と前回7日の紅白戦では、初球に走れずにけん制死。自らに課した目的をクリアした。
自分らしさを存分に発揮している新人に矢野監督は「晋太郎から打ったヒットなんて、非凡なものがあると思った。ああいう打撃ができるのは持ち味かなと思うし、その後の走る姿勢も」と高く評価した。
ただ、宿題も残した。六回1死一塁で一走の近本はアウトカウントを間違え、中谷の二飛で三塁まで全力疾走して帰塁できずに併殺。「自分のミスです。準備がしっかりできていなかった」と痛恨の表情を浮かべた。
実戦を積み重ねることで明確になってきた課題。「(盗塁は)まだまだ速くなれると思います。(改善は)スタート、スピード、スライディングの全部です」。日々勉強し、着実に成長していく。