元フジテレビ・田中大貴アナ メディアとの向き合い方も非常に面白い矢野監督
プロ野球界に幅広い人脈を持つ元フジテレビ・田中大貴アナが人気選手の隠れた一面を同アナの視点で紹介していきます。今回はキャンプ編。登場するのは阪神・矢野燿大監督です。
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「めちゃくちゃミーティングがおもろいんですよ」
「僕ら選手をやる気にさせてくれる」
「ミーティングはこれまでの監督に比べたら長い。でも長いと感じないミーティングなんですよ」
「いつも、なるほどなるほど、って思いながら話を聞いてます」
「ほんま、ためになることが多いです」
宜野座での阪神の中心選手たちの表情は、非常に明るく笑顔に溢れていました。
糸井選手をはじめ、福留選手、鳥谷選手らベテラン陣の言葉からは新監督との信頼関係を早くも感じました。そして、矢野燿大監督が開くミーティングが非常に楽しいんだと教えてくれました。
さすがは虎の女房役を務めてきた名捕手。チーム全体を統率するコミュニケーション力と相手の気持ちを推し量ろうとする気遣いを選手たちはキャンプ第2クールでそれを悟っていました。
矢野監督は選手との関係性だけではなく、私たちメディアとの向き合い方も非常に面白い。
「今日の試合のポイントはどこだったと思う?」
2軍監督時代から監督インタビュー中に記者へ逆質問が飛んでくる…。そして、監督と一緒にディベートをしながら答え合わせをする。私たち取材する側も鍛えられ、矢野監督の野球観に引き込まれるような感覚になるのです。
「今日、外野のスタンドで一瞬ぼーっとしてなかった?」と、カメラマンさんに何気なく声を掛けることがあります。「え、見てはったんや…外野の奥にいたカメラマンさんやのに…」。心の中で思わず呟いてしまいます。さすがの観察力!監督はしっかりとメディアのことも見てくれているという喜びが込み上げてきます。
選手もメディアも含め“チーム矢野”が早くも出来上がりつつあります。知的で紳士的、関西弁で言うたら「シュッとしてはるええ男」。そんな矢野監督が歓喜の大甲子園で宙に舞う姿を想像してしまった宜野座キャンプ取材。38歳を迎えるトリがめちゃくちゃ元気でほんまにパワーをもらいました!
◆田中大貴(たなか・だいき)1980年4月28日生まれ、38歳。兵庫県小野市出身。小野高から慶大に進学し、硬式野球部では02年春の東京六大学リーグで本塁打王のタイトルを獲得するなど、スラッガーとして脚光を浴びた。03年フジテレビ入社。レギュラーとして朝の情報番組『とくダネ』など多数に出演。プロ野球界をはじめ、各界に幅広い交友関係を持つ。18年4月に退社し、現在はスポーツアンカーとして活躍中。