【中田良弘氏が阪神・西に直撃!2】結果が出てない時に楽しく思える野球をしたい
デイリースポーツ評論家の中田良弘氏(59)が、FAで阪神に新加入した西勇輝投手(28)を単独インタビューした。昨オフの補強の目玉で期待も大きい中、結果が出ない時に受ける批判もウエルカムの姿勢で、前向きに戦い抜く覚悟を明かした。またパ・リーグからセ・リーグにFA移籍した投手の“幸運なジンクス”も聞き、「Vの使者」となる意気込みも語った。以下はその2。
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中田「ユニホームが似合いますよね。どんな感じですか?」
西「ほんとですか?ありがとうございます。小学校の時からストライプ、タテジマには強いイメージがあったので、着てみたいなというのは思ってましたね。似合ってるか似合ってないかは分からないですが、自分の中では満足してます」
中田「注目度が高いですが」
西「そこはあまり気にしてないです。やってることは自分自身なんで、人が多かろうが少なかろうが、やることは変わらないです」
中田「28歳で、いい時期に移籍を決断したなと思う」
西「比較的早く(FA権を)取れたので」
中田「安定した成績を残してきてるね」
西「その安定したピッチングをしっかりゲームで出せればいいなと思います」
中田「西投手の中で一番考えていることというのは?」
西「ケガをしないことを一番に考えてます」
中田「ローテーションをずっと守ってきてるのがすごいよね」
西「そう言ってもらえてありがたいですね。(故障したら)迷惑をかけますからね。このままケガせずやっていきたいですね」
中田「特別なケアとかしてる?」
西「若い時はまったく気にせず、今の自分の体でできると思ってましたけど、5年ほど前から体に気を使い始めて。より一層、家の中でも外でも変わらず、体のことを考えながらやってます」
中田「肩、肘も大丈夫?」
西「みんな、僕の投げ方がきれいだからとか言いますけど、ケアとかをちゃんとしているのもあるので。人一倍気を使いながら。やるかやらないかは自分次第なので、自分なりに考えてやってきた結果です」
中田「これから実戦に入っていく?」
西「そうですね。(キャンプ)後半に1試合、1イニングでも投げたいなというイメージですけど、(予定している)19日のピッチングを見て考えようかなと思ってます。そういうのもオリックスの時から変わらず、ピッチングコーチも気を使ってくれて、好きな時期に投げてくれていいよと言われてるので、自分の体と相談していけるタイミングでいきたいなと」
中田「そう言えるのがいいね」
西「結果が出てなかったら言われると思うんですけど、何とかケガなくやってこれてるので」
中田「リーグの違いで言えば、セ・リーグではチャンスで代打を送られることもある」
西「野球なんで気にせずに。そこを気にしてたらしんどいと思うので。今年は勉強の一年だと思ってます。今年は目いっぱい勉強して、チームの流れとかをしっかり感じて、一年間できればいいと思いますね」
中田「打線の兼ね合いもあるし、パ・リーグの方がイニング数は伸びると思うしね」
西「交代がないですからね。でもパ・リーグはDHがあって、9番バッターにピッチャーじゃなくて打てる選手がくるので、そこの対応ですよね。そこで打たれたら1番に回ったりするので、そこは(メリットとデメリットが)一緒かなと」
中田「西君の投球には、うまく散らすというイメージがある」
西「スピードがない分、散らしたりとか、左右高低とかを意識しないと生きていけないというか。生きるには、そういう術を覚えないといけないなと思いましたね」
中田「そうなるとキャッチャーとのコミュニケーションが大事」
西「毎日、誰かとはしゃべるようにはしてますね。僕はマウンドにいて、配球のことでストレスを感じるのが嫌なので。球種も多い分、それを感じずにやっていきたい。ストレートでも内の高め、外の高めで違いますし」
-矢野監督はよく、楽しむことの重要性を話しているが、楽しむレベルに行くための考えというのは?
西「自分の内の中で楽しめばいいかなと思いますし、外でしっかりと仕事の風景を見せられればいいかなと。見せ方がへたくそだったら、(楽しむことが)ダメとか言われると思いますけど。メリハリも大事だと思いますね」
中田「楽しいというのも、結果が出てるから楽しいしね。結果が出ないと楽しいとも思えないもんね」
西「結果が出てない時に、より楽しく思える野球をしたいですね。苦しい時に苦しいままやると、余計に苦しくなるので。苦しい時にどう打破して、改善して次の試合に臨めるかを楽しく考えれば、おのずと打たれても次の試合までの過程とか取り組み方が全然、変わると思うので。へこむよりは前を向いて笑顔でがんばっていければ。仕事というよりスポーツなんで」
中田「1年間、がんばってください」
西「ありがとうございます!」