ドラ1近本、西から衝撃弾!矢野監督は期待「ガンガン打ってくれる2番に」
「阪神春季キャンプ」(20日、宜野座)
阪神ドラフト1位の近本光司外野手(24)=大阪ガス=が20日、一流投手からの一撃で衝撃を残した。移籍後初めてフリー打撃に登板した西勇輝投手(28)の直球を右翼席へ。12スイングで安打性の打球は6本。打率5割をマークし、21日の広島戦へ弾みをつけた。矢野監督から求められる攻撃型2番へ、結果を積み上げる。
主役の座を一振りでかっさらった。西を相手に打率・500。どよめく宜野座球場。近本が一発を放り込んだ。「やっぱり質が違うなと感じられたのが一番よかった」。感じたのは一級品の球質。収穫と手応えに笑顔が光った。
新戦力の西がマウンドでゆっくりと準備を始める。FA戦士が移籍後初めて打者に投じる1球目。自然と注目も集まる。そんな中でドラフト1位ルーキーが打席へと向かう。観衆の視線はくぎ付けになった。
初球はボール。2球目はファウルになったが、3球目で三塁線を破る痛烈な当たり。西から“初安打”を奪うと、魅せたのは7球目。直球を完璧に打ち抜いた白球は美しい放物線を描き、フェンスを越えて右翼芝生席へ。大歓声が鳴りやまないまま、その後も快音を重ねた。12スイングで安打性の当たりは本塁打を含む6本。初陣となった西から“打率5割”と印象を残した。
新人の頼もしさに浜中打撃コーチは「ヒット性の当たりも多かったね」とご満悦。「一流ピッチャーのボールを経験できたというのはよかった」と言葉を続けた。この日は打撃練習後にも、特打でバットを振り込んだ。3連発を披露するなど、小柄ながらパンチ力を猛アピールした。
待ちに待った腕試しの場がやってくる。21日にセ界王者の広島と対戦する。九里が先発するなど、長野と石原を除く主力が集う一戦となるが、近本も「攻撃的2番」として先発出場する。矢野監督も「ガンガン打ってくれる2番になってほしい。一番の武器は足だから。そこを生かせる形も考えていきたい」と期待を寄せた。
近本は冷静に広島戦を見つめた。「ゲッツーの確率が少ないと思うので、しっかり打ってチャンスを広げられるように」。求められるのは、ただ走者を進めることだけではない。この日も取り組んだバットコントロールで、自らの武器を生かし切るために-。準備を整え、可能性を切り開く。