望月 伝家の宝刀、大魔神フォーク伝授された!「空振り取れそう」
「阪神春季キャンプ」(25日、宜野座)
阪神の望月惇志投手(21)が25日、元横浜の佐々木主浩氏(51)から“大魔神フォーク”を伝授された。ブルペンでの投球中、矢野燿大監督(50)がネット裏で視察していた東北福祉大の1学年先輩の元へ案内。3分間の直接指導を受けると、直後の投球練習で球筋が変化。4年目右腕が決め球の改良に向けて大きな武器を得た。
願ってもないチャンス。望月は迷うことなく即答した。ブルペンで39球を投球後、本格的にフォークを投げ始めるタイミングで、マウンド後方から指揮官に声を掛けられた。
矢野監督「佐々木さんに(フォークを)教えてもらうか?」
望月「お願いします」
2人でマウンドからネット裏へ移動。矢野監督が紹介後、日米通算381セーブの右腕から、握り方、手首の使い方など細かい助言が送られた。
「フォークは『落とそう』となるけど、そうじゃなくて、腕をしっかり振って投げるんだよ」。3分間、佐々木氏の言葉にうなずきながら耳を傾けた。指導を受けた後は、マウンドへ戻って投球練習を再開。初球から2球連続でフォークが高めに抜けた。
それでも5球目が低めに決まると、7球目はベース付近でワンバウンド。真後ろから見つめていた佐々木氏は腕で丸を作った。「覚えるにはアレが一番いい。抜けるのが一番ダメ。たたきつけるぐらいでいいと言ったので」。指導直後に対応する器用さに、完全習得の可能性を感じた。
望月はその後、31球中20球でフォークを投球。「前回の実戦もフォークが抜ける場面が多かった。そういう意味ではいい感触はあった」と手応えを口にした。矢野監督も「今までとはちょっと違う。空振りが取れそう」と変化を感じ取った。
望月の持ち球はカーブ、スライダー、フォーク。指揮官は150キロを超える直球を生かすために、変化球の精度を高める必要性を感じていたという。
「決め球というところで『望月=何』というのがない。勝つ投手になるには代名詞じゃないけど、そういうのを持ってる投手は結果を残してるから」。ワンランク上を目指せ-。メッセージも込めてあえて“大魔神塾”入りへ背中を押した。
「今まで捕手も(フォークの)サインを出しづらい部分もあったと思うし、投げてて感じる部分もあった。確率を上げていきたい」と望月。先発ローテ入りへ向けて、何物にも代え難い武器を得た。充実した表情が物語っていた。