矢野監督、やっぱりこの男 メッセ3・29開幕投手 井川に並ぶ球団最長5年連続
「オープン戦、ソフトバンク7-2阪神」(3日、ヤフオクドーム)
阪神のランディ・メッセンジャー投手(37)が5年連続6度目の開幕投手を務めることが決まった。矢野燿大監督(50)が3日のソフトバンク戦後に明らかにした。5年連続は井川慶(2002年から06年)に並んで球団最長タイで、6度目は若林忠志の8度に次ぎ小山正明、江夏豊と並んで2位タイ。今季来日10年目を迎え、日本選手扱いとなった右腕が29日のヤクルト戦(京セラドーム)で新たな一歩を刻む。
覚悟を決めた。指揮官としての第一歩となる3月29日の開幕・ヤクルト戦。矢野監督は球団史に名を刻んできた右腕に、初陣のマウンドを託すことを明かした。
「開幕はランディ(メッセンジャー)で行くわ」
この日のソフトバンク戦後に、本人へ直接伝えることを決めていた。
「開幕投手は信頼関係だから。打たれたからって揺らぐものでもないし、抑えても伝えようと思っていた」
オープン戦初登板初先発となった右腕は、初回2死満塁で松田宣に満塁本塁打を浴びた。それでも二、三回は一人も走者を出さずに3奪三振。3回4失点の結果にも「すぐ修正できて良かった。調子は上がっている」と前向きだった。
矢野監督の気持ちにも変化はなかった。試合後に伝えると、「本人はやる気満々」。気合を入れ直す姿が頼もしく映った。
これまで開幕投手も「競争」とし、明言は避けていた。西、ガルシアらだけではなく、若手の名前も挙げ、競争をあおった。
一方で、メッセンジャーの開幕投手への強いこだわりも理解していた。今季は日本選手の扱いとなり、今まで以上にチームを引っ張る姿も見てきた。スローガンの「オレがヤル!」を体現する姿勢に、心の中では少しずつ固まっていった。
「やっていること、準備、引っ張っていこうという気持ちとか。そういうものも含めて、やっぱりランディやなとなった」。総合的に判断し、メッセンジャーに球団記録に並ぶ5年連続の開幕投手を任せる決断に至った。
助っ人右腕は過去の開幕戦5試合で3勝1敗の成績を残し、ヤクルトとの対戦成績は通算20勝11敗、防御率3・42。京セラドームでも8勝4敗、防御率2・66と相性は悪くない。小川と投げ合う開幕戦でも、好投で応えてくれるはずだ。
今後は右腕を支える野手陣の状態を上げていく。「オープン戦とはいえ4連敗してるんで。次、勝てるように頑張ります」と矢野監督。今週末には甲子園でのオープン戦も始まる。本拠地に戻り、地に足を着けて、開幕へ態勢を整えていく。