矢野監督「絶対ダッシュ」開幕星届ける!オレがヤル!02年仙さん初年度再現や
阪神は28日、開幕戦の舞台となる京セラドームで全体練習を行った。矢野燿大監督(50)は、1軍指揮官として初めて迎える開幕を前に、星野監督の就任1年目、2002年の開幕7連勝のようなスタートダッシュ再現を理想に掲げた。ファンを喜ばせる快進撃実現に向けて、選手たちには「楽しんでやろう」と語りかけて準備を整えた。
選手の動きは軽く、表情からは気迫が伝わる。約2時間の開幕前日練習。順調な仕上がりが頼もしく映った。「すごく楽しみ」。やり残したことはない。自信を持って臨むシーズン。矢野監督が気持ちの高揚を言葉に変えた。
「本心を言えば絶対、開幕ダッシュしたい。何年やったっけ…。2002年か。開幕7連勝して。興奮して毎日、寝られへんわ、みたいな。ああいうシーズンのスタートを切れたらなっていうのは、心のどこかにはある」
脳裏に思い描くのは、恩師・星野氏が阪神1年目に見せた02年の開幕ダッシュ。正捕手として開幕7連勝に貢献し、ファンの熱狂ぶりを肌で感じた。
「何か感じ取ってもらえるように、(気持ちが)あふれ出るような。そういうのがオレらのやりたい野球」。チームを率いる指揮官として見据えるのは優勝しかない。しかし、ただ勝つことだけが目標ではない。
就任時に掲げた方針の3本柱の一つは「誰かを喜ばせる」。開幕直後からファンと一緒に興奮し、同じ方向へ進みたい。情熱を持ってチームをけん引した闘将のように、阪神ファンを盛り上げることを理想に掲げた。
練習開始前には11分間のミーティングを行い、選手へメッセージを送った。「楽しみも多いし、どこかで不安もある。どうせなら楽しんでやろう。何も始まってないし、今からやるんだから」。グラウンドに出れば臆する必要はない。自分を表現する全力プレーを期待した。
29日に行われる開幕戦のチケットは完売。満員の京セラドームで、昨季10連敗を喫してシーズンを終えたヤクルトを迎え撃つ。「ホームのユニホームを着て、ファンの方もたくさん来てくれる。その中で開幕を迎えられるのは一生、忘れへんものになる」。満を持してスタートを切る。頼もしい選手、スタッフ、ファンとともに、14年ぶりの歓喜を目指して-。