ドラ1近本“神足”かっ飛ばしたで!決めた初盗塁!魅せた快速三塁打
「巨人9-3阪神」(2日、東京ドーム)
今季初の伝統の一戦は、阪神の完敗に終わった。そんな中、ルーキーがまたも輝きを放った。六回先頭、ドラフト1位・近本光司外野手(24)=大阪ガス=が右中間突破の三塁打。これを足がかりに3点を返して一矢報いた。初回には二盗を決めてプロ初盗塁をマーク。韋駄天(いだてん)ドラ1が、虎に一瞬の光を照らした。
ギアを一気に上げた。右中間を切り裂いた打球。一塁を回り、クッションボールを処理する光景を視界にとらえると、近本が迷うことなく快足を飛ばした。二塁ベースを蹴ると、左翼スタンドがどよめく。意地の三塁打。ルーキーが敗戦の中で確かな光を放った。
8点を追う六回。ここまで2安打と苦戦していた山口に食らいついた。フルカウントからの6球目、内角高めの141キロ直球に反応。力の限りに振り抜いてはじき返した。「気持ち的には二塁打コース。クッションの相手の反応を見て三塁に行けると思った」と即座に判断して三塁を陥れた。
ルーキーの一打に打線が奮起。1死一、三塁から福留が右前適時打で1点を返した。2死一、二塁では糸原が右越え2点三塁打で応戦。若手、ベテランとチーム一丸となって奪った3得点で、5点差へと詰め寄った。
勝つためには劣勢の状況でも反撃への流れを作らないといけない。三回に5点を奪われて7点を追いかける状況となったところで清水ヘッドコーチが動いた。四回の攻撃前に円陣が組まれ「このままではファンが喜ばない。(試合を)捨てちゃダメだ。あっさり終わらないようにしよう。このままでは昨年、屈辱を味わった最下位のチームのままになってしまう。何かを変えよう」と語気を強めてナインを鼓舞した。
攻撃の起点となっている近本。初回1死走者なしから四球で出塁すると、続く糸井が打席に立った2球目にスタートした。フォークボールがワンバウンドして捕手・小林が捕球できず。「常に狙っている。走れる状況だと思ったので。内野安打でも四球でも盗塁を決めることができたら二塁打になるので」という積極的な姿勢で、プロ初盗塁となる二盗を決めた。
シーズンはまだ始まったばかり。秋にファンを喜ばせるためにも、韋駄天(いだてん)ルーキーががむしゃらな姿勢と強い気持ちで、ルーキーイヤーを突っ走っていく。