糸原着火 先制V撃&猛打ショー「たまっていた分スッキリ」

 5回、二塁打を放つ糸原=マツダスタジアム
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 「広島0-9阪神」(7日、マツダスタジアム)

 歯を食いしばった阪神の糸原健斗が、両手を三塁ベンチに向ける。左足薬指を骨折した梅野が、必死の走塁で先制のホームを踏む。勝ちたい理由があった。勝たせたい思いがあった。「西さんに絶対、勝ちをつけよう」。“2度目の正直”を導いた決勝打。新主将がチームの総意をバットで体現した。

 0-0で迎えた三回、2死二塁の得点圏で打席が巡った。オーダーが大幅に変更され、今季初めて2番での出場。1-1から3球目、外寄りのフォークを狙った。逆らわずに、逆方向を意識した打球が左翼前で弾む。3戦連続の安打が、チーム待望の先取点。先発・西の援護点になった。

 「今日は西さんが投げていたので。勢いをつけられるように。絶対に勝ちをつけようと話していました」

 西の前回登板前日、3月30日の試合後ミーティング。矢野監督は野手全員を集めて、奮起を促した。「西を勝たせてやろう」。一丸での援護を誓ったが、結果的に4安打で1得点。強い思いは空回りした。開幕から8戦連続3得点以下&1桁安打は、球団のワースト記録を更新。苦しむチームの中、新主将の変わらぬ姿があった。

 凡打でも全力疾走。勝っても負けても、土で汚れたユニホームが決意表明だ。「球際の抜けそうな打球に対して、捕れなくても飛びつくことや、姿勢は大事にしています。必ず誰かが見ている。泥くさく、一生懸命さですね」。小学生以来の主将就任。言葉以上に背中でチームを鼓舞する。

 五回に右中間を襲う二塁打、八回は中前打で今季初の猛打賞。チームとして13安打9得点で、不名誉な記録にも終止符を打った。「まだ始まったばかり。たまっていた分スッキリしたので。自分のやることは変わりません」。一戦一戦、懸命に白球を追う。ユニホームを泥だらけにしてこそ輝く主将。全力プレーが浮上のカギを握る。

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