近本から逆襲9点 大逆転劇へ突破口切り開く 聖地初打席初安打&初盗塁
「阪神12-8DeNA」(9日、甲子園球場)
大逆転劇への突破口を切り開いたのは黄金ルーキーだった。劣勢だった試合の流れを変えた阪神のドラフト1位の近本(大阪ガス)。縦横無尽にグラウンドを駆け回り、相手に効果抜群のダメージを与えた。
5点を追う七回に代打として出番を迎えた。「先頭だったので、塁に出ることを意識して。ファーストストライクを振ると決めていた」。1ボールからの2球目、エスコバーの直球を迷わずスイング。左腕の足元を抜ける中前打。甲子園初打席を初安打で飾った。
真骨頂はここから。1死から糸原の打席で2球目にスタート。二盗を成功させると、捕手の送球がそれる間に三塁を陥れ、3点を奪い取る起点となった。
大きな勢いをもたらした盗塁。5点差があり、本来なら走者をためることを優先される。だが、チャンスを広げるために信頼された近本の足。清水ヘッドコーチは「セオリーとか常識を疑わないと新しいものが生まれない」と説明する。
逆転に成功した八回も脅威となった足。四球で出塁すると、パットンから何度もけん制をもらうなど打者に集中させず。6得点の猛攻へと結びつけた。
2試合連続でスタメン落ち。もちろん悔しさはあるが「自分のやることは変わらない」と、再び先発出場の権利をつかむためにも与えられたチャンスを生かすだけだ。
14年ぶりのV奪還へ求められるのは、粘り強さ。虎のルーキーが持てる力を全て出して起点となり、引っ張ってみせる。