矢野虎チグハグ 2度のけん制死「流れ止めた」 浜口に“スミ1安打”完封負け
「阪神0-2DeNA」(10日、甲子園球場)
阪神が今季初の完封負けを喫した。初回の1安打のみで、苦手とするDeNA・浜口の前に9つの「0」を並べた。初回には糸原、三回には北條が一塁けん制死。機動力も封じ込められ、好機でもあと一本が出なかった。前夜の劇的逆転勝利から一転の完敗。なかなか波に乗り切れない。
季節外れの寒さが身に染みた。前夜の劇的な逆転勝ちから一転。攻略の糸口をつかめないまま、初回の1安打止まりで9つの0が並んだ。今季初の零封負け。矢野監督は敗戦後、悔しさを押し殺し、テレビ会見に臨んだ。
「結構低めに来たり、逆に抜けた球も、なかなかタイミングが取れず、ちょっと打てなさすぎましたね」
DeNAの先発・浜口を攻略できそうで、できなかった。ただ、攻撃の中で流れを掴み損ねるミスもあった。
初回2死一塁は、リプレー検証で一走・糸原がけん制死。三回無死一塁でも一走・北條がけん制で刺されてしまった。
矢野監督は「ちょっと流れを止めてしまったかな」と首をかしげる。清水ヘッドコーチはサインが出ていなかった状況でのミスに、「俺らの反省。2つやられるのはダメ」と話せば、筒井一塁ベースコーチも「けん制のキレについていけなかった。僕を含めて反省です」。今後、対策を講じていく必要性を口にした。
今季の阪神の持ち味の一つである機動力も封じられ、攻撃もリズムに乗り切れなかった。得点圏に走者が進んだのは2度だけ。最大のチャンスだった八回2死満塁も糸原が遊飛に倒れると、甲子園に悲鳴が響いた。
これで浜口先発時の通算対戦成績は9試合1勝5敗、打率・219となった。直球、チェンジアップ、カットボールを織り交ぜ、程よく荒れる投球に苦しめられている。浜中打撃コーチは「選手たちは粘ってくれたのに申し訳ない。こちらの対策不足」。明確な狙い球を絞り切らせられなかったことを悔いた。
今季6敗のうち4敗は、先発投手が左腕だった。左打者が多いため、今後も左投手をぶつけられる可能性は高い。矢野監督は「僕らは僕らとして、それは打破していかないとダメだと思う。何とかしていけるように頑張ります」と前を向いた。2カード連続の勝ち越しを目指し、11日は熱い戦いを見せる。