福留、同点打 12打席ぶり安打「ランナーかえせて良かった」

 「阪神5-2中日」(14日、甲子園球場)

 結果でやり返す。ベテランの意地だった。12打席ぶりの安打が同点タイムリー。阪神・福留が試合を振り出しに戻し、その後の猛攻へ勢いを生み出した。

 初回2死一、二塁の場面では、フルカウントからのフォークで空振り三振に終わっていた。スタンドに響くため息に表情がゆがむ。ただ挽回のチャンスはすぐに巡ってきた。

 四回1死二塁で迎えた第2打席。自ら仕掛けた。初球の外角シュートを強引に引っ張った。一、二塁間の打球に飛びついた二塁・堂上のグラブの先を抜け右前へ。チーム単独トップの7打点目となる同点打となった。

 「前の打席のチャンスで打てなかったので、何とかランナーをかえすことができて良かったです」。歓喜する一塁ベンチが視界に飛び込む。合わせて雨の中で声援を送るスタンドのファンを見渡すと、口元を緩めた。

 清水ヘッドコーチは勝負所での集中力を称賛。「今日の中では福留の同点タイムリー。打ったことで皆が楽になったし、同点に追いついて押せ押せになった」。低調だった打線を勢いづけた一打に目を細める。

 その後、二走として迎えた四回1死一、二塁では、梅野が吉見の足元を抜く中前打を放つと、好スタートで三塁を蹴って本塁へ。好走塁で勝ち越しのホームを踏んだベテランの懸命な姿が、猛虎にさらなる勢いを生んだ。

 26日に42歳の誕生日を迎える阪神の最年長。常にチームのことに目を向ける。福留が兄のように慕う山崎武司氏は「自分のことより、若い選手を気にしている」と言う。

 思いは姿勢にも現れている。開幕からセ・リーグ5球団と対戦が一回りしたが、1試合も先発を外れずに15試合連続でスタメン出場中だ。背中で引っ張る。チームが苦しい時こそ、福留がヤル。

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