中谷 意地の一発 手遅れも九回2号2ラン「明日につながると思う」
「ヤクルト9-5阪神」(16日、坊っちゃんスタジアム)
意気消沈の左翼スタンドが、最後の最後で少し沸いた。6点差の九回2死、最終盤で意地の2号2ラン。諦めないナインの思いを体現してみせた。一方的な展開で終わらせなかった一振りは、中谷に、チームにとって価値ある一発になった。
途中交代した福留に代わって、六回から左翼の守備に就いた。七回の第1打席は捕邪飛。第2打席は2死三塁の好機だ。1ストライクから2球目。外角高めの直球を迷わず振り抜いた。右方向に飛んだ打球は、そのまま右翼ポールに直撃。5日の広島戦以来、9試合ぶりの2号2ランだ。
「自分には結果が大事なので。続けていけるようにしたい」。久々の快音にも試合後、笑みは見えない。3戦連続でスタメンを外れ、3試合ぶりの出場。捕手2人制を敷くチームでは、第3捕手としての役割も担う。出場4試合ぶりの安打は、何よりのアピールになった。
火曜日の大敗。今週残る5連戦に向けて、価値ある一振りにもなった。浜中打撃コーチも強調する。「ここで(点を)取るのと取れないのでは全然違ってくる。この2点は、明日につながると思う」。流れを変えるアーチになるか。松山の虎党にささげた意地の一発。反撃の号砲にしたい。