原口いきなり5発!復活へ順調ダ~ン 大腸がん手術後初の屋外フリー
大腸がんからの復帰を目指す阪神の原口文仁捕手(27)が16日、西宮市内の鳴尾浜球場で、術後初めての屋外フリー打撃を行った。約15分間、計80スイングで鋭い当たりを飛ばし、柵越えは5本。元気な姿を見せながら、順調な良化傾向を披露した。着実に調整の段階を上げながら、誰もが待ちわびる復活への道のりを懸命に歩んでいく。
うららかな春の陽気が、原口を優しく包み込んだ。右耳の後ろに構えたバットが小気味よく白球を捉え、緑の芝生に弾んでいく。大腸がんの手術から75日目。原口が復活への“大きな一歩”を力強く刻んだ。
「最初にしてはいい感じで、外で打てた」
快晴の鳴尾浜で行われた2軍の残留練習。打撃ケージに原口が足を向ける。打撃投手とストレートマシンを相手に約15分間。屋外で自ら奏でる打球音を久々に聞きながら、快音を連発した。今回が術後初の屋外フリー打撃かと疑うほど、鋭いスイングでボールをアジャスト。原口らしい、美しい放物線を描いた打球も多く見られた。
練習を終えた背番号94は、室内と屋外での打撃練習を比較して「気分が違うし感覚も違う。(その)ギャップを埋めていきたい」とうなずく。第一歩としては十分過ぎるほどの打棒だったが「マシンも(球が)前に飛ばなかったりミスショットも多かったので、いい感じで打てるように」と、より高いレベルを求めて修正に励んでいく構えだ。
1月24日、開設した公式ツイッターで大腸がんであることを公表(球団も発表)。同31日に自身のツイッターを更新し、無事に手術が終了したことを報告した。2月6日に退院、同14日にリハビリをスタート。3月7日から鳴尾浜でトレーニングを開始し、早期復帰を目指して懸命にリハビリを重ねてきた。
この日は捕球練習を行うなど、自身ができることの数を順調に増やしている。球団関係者が「順調ですね。ひと通りの動きはやっています」と明るい表情を見せれば、原口も「だいたいの動きはでき始めているので、量をこなしていければ」と意気込みを語った。
開幕から対戦カードも一回りし、シーズンも本格化する。「待っている」という言葉は、チーム全員の思い。上位争いを演じ、熱戦を繰り広げる中で背番号94を迎え入れることは、1軍全員の使命でもある。「順調に積み重ねできているので、いい方向に行っていると思います」。復活という名の1軍舞台返り咲きへ、原口がまた一歩近づいた。