大山2打席連発弾 これぞ虎の4番!今季初の猛打ショーで13得点快勝劇導いた
「ヤクルト5-13阪神」(18日、神宮球場)
これぞ4番!阪神・大山悠輔内野手(24)が初回に2試合連続本塁打となる3号3ランを放つと、三回には2打席連続の4号ソロ。打線爆発の火付け役となり、今季最多の1試合5本塁打、同最多の16安打13得点の快勝劇を導いた。19日からは甲子園で平成最後の巨人3連戦。菅野撃ちも頼むで。
常に不安と隣り合わせだった。決して表情は緩まない。でも、この日の大山は、うれしそうに笑った。計り知れない4番の重圧。「とにかく今日は勝ててよかった」と真っ先につぶやいた。
今オフからあえて何度も言葉にした。「自覚」の二文字。経験を積ませてもらった2年間に、結果で報いたかった。感謝の思いは言動を変える。だが、なかなかついてこない結果に焦りも募った。打率は1割台に落ち込み、次第になくなる笑顔。それでも、決して逃げなかった。心の指導が足を止まらせた。
「4番として、きちんと発言しなさい。言い訳のできない…そういう打順を悠輔は任されているんだよ」
浜中打撃コーチから送られたメッセージ。胸に刻んだのは、敗戦を背負うということ。いつも二人三脚。阪神の4番を担った先輩だ。いつだってヒントをくれ、今キャンプ中には一枚の新聞紙を渡された。写っていたのは巨人・岡本だった。連続写真で研究するのは下半身の使い方。理想的だという右打者のフォームを見つめ、話し合いを重ねた。
そんな4番のバットで主導権を握る。初回1死一、二塁の好機で迎えた3球目。真ん中に入ったカットボールをファウル。表情を今一度引き締めると、続く4球目だった。2度目は逃さない。「しっかり強く振ることができたことで、次の甘い球を仕留めることができた」と、同じコースに浮いた高めのカットボールを強振。自身3度目となる2試合連発。まだ明るい神宮の空に、先制3号3ランが打ち上がった。
今度は三回。先頭で打席へと向かうと、左翼席は期待感に包まれた。すると今度は高めの直球をフルスイング。一振りで応えた。打った瞬間、スタンドインを確信。2打席連発の4号ソロで、もう止まらない。四回にも左翼フェンス直撃の二塁打を放ち、今季初の猛打賞だ。
4番が打って勝てば、チームは勢いづく。今季最多の5本塁打を含む16安打で13得点を奪い、春の宴の開幕だ。小さくほえた大山が導いた白星、つかみきった大勝。勢いのまま連勝へ。4番が前へと進む。一歩ずつ、大切に-。