才木 令和1勝目「力が入った」103球5回2失点で2勝目
「阪神6-2広島」(1日、甲子園球場)
ベンチでレガースを外していた阪神の才木が、グラウンドに身を乗り出して右手を突き上げた。勝利投手の権利をもたらしてくれた近本の一打に、笑顔がはじける。5回2失点で舞い込んできた今季2勝目は、記念すべき「令和1勝目」だ。
新元号初戦のマウンドに「意識しないようにしたけど、力が入った」と三者凡退は初回のみ。球数は5回で103球とリズムを作れず「ボール先行になって、決める時にファウルで粘られたり」と苦しんだ。三回1死一塁からの連続二塁打で2失点。だが、試合は壊さない。昨年末から年始にかけ、例年より餅を多く食べて体重増に取り組んだ右腕は、走者を背負っても粘り強く、2失点で踏みとどまった。
1点を追う五回の攻撃。ネクストサークルで備えていたが、代打を送られた。「令和初戦」での勝利投手は薄れかけたが、野球の神様は才木に味方した。
「野手の方々に感謝しかありません。次投げる機会があれば、取り戻したい」
矢野監督は「投げた中で勝ちが付いて、いい意味で収穫と反省ができると思う。スケールの大きなピッチャーになれるピッチャーなのでね」と改めて高い期待を寄せた。右腕にとって、自身とチームに白星が付いた事実は何よりの良薬。新時代のエースへと駆け上がる時間は、たっぷりと残されている。