岩田、復活元年だ 令和初登板で7回0封 改元またぎ3戦連続好投
「阪神0-4広島」(2日、甲子園球場)
ベンチで失点シーンを見届けた阪神・岩田は、真っ先にドリスの元に歩み寄った。攻撃中は最前列から身を乗り出し、野手の安打にガッツポーズを送る。7回4安打無失点。相手エースとの投手戦は、互いに譲らず勝敗は付かなかった。惜敗に悔しさも残るが、12連戦中の価値ある粘投だった。
「力まず投げることができた。先発としての仕事はできたと思いますが…次、ですね」
試合後、努めて明るく振り返った。今季3試合目の登板にして、初の本拠地マウンド。初回から安定した投球が光る。先頭の広島・野間に粘られ、二塁内野安打で出塁を許したが、菊池涼、バティスタと後続を断って波に乗った。二、三回といずれも先頭に安打を浴びる中、ベテランらしく慌てずに凡打の山を築く。
四回から六回まで、無安打投球でリズムを生むと、七回は2死一塁で、会沢を強気の内角勝負で遊ゴロに抑えた。今季、幾度となく「楽しんで」と口にするように、感情を前面に出しながらの投球。0-0の七回、2死一塁で代打を送られ、得点が入れば勝利投手の権利を得られた満塁の好機で糸原が中飛に倒れた。白星はつかめなかったが、拍手で野手の全力プレーを称えた。
今季3度目の登板で、初めて無失点で役目を終えた。相手エースの大瀬良が「岩田さんがいい球を投げていたので、負けないようにと思っていた」と振り返るほど、白熱の投手戦を演じた101球。矢野監督も「間違いなく勝てる投球だった」とねぎらった。
次回は中5日で12連戦最終戦となる8日のヤクルト戦(神宮)登板が確実。大型連戦のラストは35歳に託された。「次につながる?いや、つなげます」と岩田。3連覇中の王者に二塁すら踏ませぬ、完全復活の予感漂う熱投。昭和、平成、令和と時代を紡ぎながら、ベテランは進化を止めない。