原口が近日中に実戦復帰へ 大腸がん手術後、初の2軍全体練習に合流
大腸がんからの完全復帰を目指す阪神・原口文仁捕手(27)が7日、西宮市の鳴尾浜球場で術後初めて2軍全体練習に合流した。フリー打撃やキャッチング練習などで汗を流した後、3月7日のトレーニング再開以降では初めて試合前シートノックにも参加した。軽快な動きで順調な回復ぶりを示した。平田2軍監督も「動き的にも良かった」と評価し、近日中にも実戦復帰する可能性を示唆した。
冷たい風が吹きつける快晴の鳴尾浜で、原口が2軍全体練習に合流した。同球場でトレーニングを再開した3月7日から、ちょうど2カ月。表情には笑みを浮かべながらも、グラウンドに降り立つ姿に緊張感が漂っていた。
順調な回復ぶりが一つ一つの動作からにじみ出ていた。まずは、全体アップ後のフリー打撃。直球マシンと打撃投手相手に54スイング中、安打性は19本。柵越えも4本飛び出し、全て左翼フェンスを越えた。持ち味の打撃で光を見せた。
守備でも軽やかな動きを見せた。捕手の防具、ミットを身につけ捕球、送球練習を難なくこなす。その後はシートノックに参加。外野からの送球を捕球する際には「OK!ナイスボール!」など言葉をかけた。二盗を想定したスローイングではストライク送球し、内野陣から「ナイス!文さん」と声も飛んだ。
4月16日に屋外フリー打撃を再開して以降は、同20日にシート形式の打撃練習を行うなど着実に段階を踏んできた。5月に入ってからは捕手練習や、一塁の位置で受けるノックの量も増やしてきた。そしてこの日は全体練習に合流。500人近く詰めかけた虎党は、原口の一挙手一投足にくぎ付けとなった。
山田2軍バッテリーコーチは「キャッチャーの練習だけ見ると特に問題はない。動きは大丈夫だと思う」と状態の良さを評した。そんな中、次の段階は実戦出場。同コーチは「試合に出る体力。打席に立つ体力などだね。疲れ方も違うだろうしね」とした。
平田2軍監督も「動き的にも良かった。打つ方もさすがだよ。楽しみにしててくれ」と笑顔で話し、近日中の実戦復帰の可能性を示唆した。原口の全力プレーを虎党の誰もが待ち望んでいる。背番号94は前に進み続ける。