中谷、代打2点打 ヒーローなり損ねたけど…「いいきっかけにしたい」

 「ヤクルト7-7阪神」(8日、神宮球場)

 神宮の夜空に白球が舞い上がる。与えられたチャンスは一度きり。阪神・中谷がその一打に、その一瞬に思いを込めた。スコアボードに刻まれた価値ある「2」。二塁ベース上で、うれしそうな笑顔が輝く。突き上げた右拳が、仕事を果たした証しとなった。

 同点で迎えた延長十二回1死二塁。ネクストで梅野の申告敬遠を見届けた。代打・中谷のコールに「いつもと変わらず、しっかり自分の場所で結果を残せるように準備をしていた」とバットを強く、何度も握り直した。

 大歓声が渦巻いたのは、カウント1-1からの3球目だった。真ん中に甘く入った直球を見逃さない。フルスイングではじき返すと、白球は左中間を破って走者2人が生還。「ああいう場面で打てたのはよかった」。停滞していた延長戦に歓喜をもたらした。

 「(監督が)ファンを喜ばせるということをおっしゃっているので、活躍することで、そうできたらいいです」

 活躍を誓った19年シーズン。14試合連続で先発出場から遠ざかっている現状が、もどかしかった。「いいきっかけにしたい」。バスへと続く帰り道、ファンから伝えられたのは「ありがとう」の言葉。ヒーローにはなれなかった。それでも…ここぞでの打撃に思いを込める。ファンを喜ばせるために。

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