メッセンジャーいきなり3失点 前戦完投星から一転…悔投3敗目
「阪神1-5中日」(11日、甲子園球場)
思うように投げ切れない歯がゆさが、もどかしい。イニングを投げ終えるたびに、阪神のメッセンジャーは首をかしげながらゆっくりベンチへ戻った。試合開始早々から漂った劣勢ムード。スタンドから漏れるため息とともに、右腕の表情も曇った。「初回が全てでした」。試合後はサバサバした表情で5回3失点を振り返った。
初回1死から2番・大島に右翼線への二塁打を浴び、平田の四球で一、二塁のピンチ。4番・ビシエドからは内角高め143キロで空振り三振を奪ったが、続く高橋にフルカウントからカーブを捉えられた。「(球は)そこまで悪くなかった。うまく打たれた」と相手の“勝ち”を認めた。
なおも2死二塁から阿部に右前適時打を許し、3点目を献上。前回4日のDeNA戦(甲子園)で完投勝利を挙げた勢いから一転、自らの3失点で前夜の快勝ムードに水を差した。二回以降は無失点に抑え、走者を出しても要所を締める投球。「ゲームを作れたとは思う」とうなずいたが、初回の3点が重かった。
矢野監督は「立ち上がりというのはピッチャーは難しいんでね」と話しつつ「今後もしっかりやってくれると思います」と期待した。チームを勝たせてこそエース。今季3敗目の悔しさは、次戦のマウンドで必ず晴らす。