矢野監督「めちゃくちゃうれしい」就任初の巨人戦星 積極采配で対連敗「9」で止めた
「巨人2-4阪神」(14日、東京ドーム)
やっと巨人をやっつけた!阪神は昨季から9連敗中だった宿敵に鮮やかな逆転勝利。執念を見せたのは矢野燿大監督(50)だ。1-2の七回に代打攻勢で試合をひっくり返すと、八回が定位置だったジョンソンを七回に前倒しして逃げ切りを図る積極采配。虎戦士も指揮官のタクトにしっかり応え、令和初の伝統の一戦をものにした。
威勢のいい声が響き、笑顔のハイタッチが続いた。試合後の三塁ベンチ裏。矢野監督も抑え込まれてきた感情を爆発させた。開幕から1カ月半。6連敗後、ようやく手にした巨人戦初勝利は格別だった。
「めちゃくちゃうれしい。今は興奮しているけど、あとからかみしめられるような1勝になると思う。全員で勝った1勝やと思う。そういう意味でも忘れられないジャイアンツ戦初勝利になったね」
1点差の七回。指揮官の嗅覚が働いた。「選手がいなくなるとか、先のこと考えてもね。俺も積極的にいきたいし。自分の中でこれだと思うことをどんどんやっていった。追いつかないと勝ちはないんだから」。先頭・福留が中前打を放つと、もう一度打席が回ってくる可能性があったベテランに代走・江越を起用。1死一、二塁からは上本、北條を連続で代打に送った。
上本が倒れた後、ベンチには中谷、鳥谷が残っていた。それでも指揮官は出場機会がなくても、献身的な姿勢を見せてきた北條の気持ちに賭けた。「きれい事でもなくて、ベンチで一番声を出している選手。北條でいいんじゃないかなというのが自分の中にあった」。思いが伝わったかのように、北條が初球を振り抜いた打球は左翼前で跳ねた。同点だ。
2死満塁では糸原が決勝中前打。「これまでやられてたんで、やり返してやるという気持ちで」。一塁上でベンチにガッツポーズを見せた主将に、指揮官も右拳を突き上げて応えた。
逆転した七回からはジョンソンの投入を1イニング前倒し。「野球って流れがあるんで。そこを止めるため」。攻めて、仕掛けて、リーグトップタイ11度目の逆転勝ちをもぎ取った。
令和初の伝統の一戦で首位・巨人に2ゲーム差に迫り、15日は先発・菅野をたたきにいく。「こういう勢いで、タイガースらしい野球でリベンジしたい」。今季味わってきた屈辱は必ず晴らす。