ドラ3木浪、菅野キラー弾 4・19以来“2戦連発”
「巨人8-13阪神」(15日、東京ドーム)
完璧に振り切った白球は高々と舞い上がり、右翼スタンドへ消えた。敵地に描いた完璧な弾道。一瞬の静寂から沸き起こった大歓声が、ダイヤモンドを回る阪神のドラフト3位・木浪(ホンダ)に降り注いだ。
「先頭だったので、塁に出ることを考えて思いっきりいったら、まさかのホームランになってくれました」
本人も仰天の一発は2点リードの六回。菅野が投じた1ボールからの2球目、124キロカーブを迷わずにフルスイングした。甲高い打球音を響かせた打球は失速することなく、右翼席へ到達する2号ソロ。勝利を大きくたぐり寄せる本塁打とした。
球界を代表する投手にも臆することはなかった。プロ初本塁打を放った4月19日の同戦でもマウンドに立っていたのは菅野。「球界を代表する投手なので、狙い球を絞らないと打てない」。鮮明に覚えている右腕から放った最高のイメージを再現してみせた。
プロの投手の球に対応するために、バットの出し方やステップなど試行錯誤。その中で生まれた大きな1本だ。「オープン戦の時とも投手の印象が全然違う。対応できるようにしないといけない」。よりよい結果を残せるようにさらなる磨きをかける。先は見据えず、目の前の一戦に集中する木浪。チームの勝利のために若武者は、バットを振り続ける。