痛快!菅野から4発10点 クリーンアップそろい踏み!天敵にWワースト食らわせた
「巨人8-13阪神」(15日、東京ドーム)
何度も煮え湯を飲まされた天敵を痛快に打ち崩した。猛虎打線が菅野にクリーンアップそろい踏みの4本塁打を浴びせて阪神は2位タイに浮上。糸井嘉男外野手(37)が先制2号2ラン、福留孝介外野手(42)は値千金の4号ソロ。大山悠輔内野手(24)は左翼上段への特大7号2ラン。こんな試合を毎日見たい。
役者がそろった。歓喜のリズムに乗せられるかのように-。白球が美しく、大きな弧を描く。先制弾、流れを止める一発…最後は4番の特大KO弾で、虎のクリーンアップがそろい踏みだ。
白い歯をこぼして、グラウンドを一周した。マウンドには宿敵のエース・菅野。通算7勝14敗と大きく負け越す難敵相手に、大山が負けじとフルスイングで応戦した。六回2死一塁。狙っていこう。覚悟を決めた、その初球だった。低めのツーシームに反応。はじき返した打球の行方を見上げた。
高々と舞い上がった白球の勢いは、最後まで衰えず。大歓声に吸い込まれるように左翼席上段の看板を直撃した。「1点でも多く取ることが大事だった。その中で打てたのはよかったです」。菅野をマウンドから引きずり降ろす、特大の7号2ラン。相手エースから「いいバッター」と警戒されていた虎の4番。包囲網をかいくぐり、木っ端みじんに打ち砕いた。
一人じゃない。前後には経験豊富な頼れる2人がいる。「糸井さん、孝介さん(福留)に頼りっぱなしでいたら、チームの主軸になれない」。芽生える4番の自覚。それでもこの日は、頼れる先輩が試合を動かしてくれた。
まずは初回。打線を勢いづかせたのは、糸井の一発だった。1死一塁から、スライダーにフルスイングで反応。打った瞬間、スタンドインを確信させる大飛球。ようやく出た一撃に「打った感触?行ってくれー!!」と笑顔がにじむ。この2連戦は誰よりも早く球場入り。誰もいない通路を一人急ぐ。黙々と続けた準備が実った一打は、3月30日のヤクルト戦以来、39試合ぶりの一発となった。
流れを断ち切ったのが、頼れるチーム最年長のベテランだ。1点差に詰め寄られた直後の五回。福留が今季2度目の猛打賞となる4号ソロ。「みんなが集中してね。菅野も調子が悪かったかもしれないけど、つないで点が取れたのは大きい」と仲間を称える。クリーンアップで8打点。巨人戦でのクリーンアップそろい踏みは、11年5月3日以来、8年ぶりだ。
開幕から1カ月半が経過して生まれた味わい深い3発。「勝ててよかった」。そろって同じ言葉を紡いだ。エースを粉砕して、宿敵・巨人に連勝だ。