原口、交流戦で1軍も 術後初、一塁守備&フル出場 平田2軍監督「試合勘つけて」
「ウエスタン、広島5-0阪神」(19日、由宇球場)
大腸がんからの完全復活を目指す阪神・原口文仁捕手(27)が19日、ウエスタン・広島戦(由宇)に「5番・一塁」で出場。術後初めて一塁を守り、フル出場を果たした。打撃でも4打数1安打。順調なステップを踏んでいる背番号94が、交流戦前後で1軍復帰を果たす可能性も浮上した。
ファーストミットを左手にはめ、背番号94が一塁の守備位置に向かった。本職とは異なるポジションでのスタメン出場となった原口。実戦復帰後初めてフル出場を果たし、また一歩前進した。
初回からいきなり守備機会が訪れた。2死満塁と先制のピンチ。サンタナが一塁のファウルゾーンに飛球を打ち上げた。雨の中走りながらボールを追いかけ、難なくキャッチ。ベンチから「OK!グッチ、グッチさん」と笑顔で迎えられた。
鳴尾浜での残留練習や、実戦復帰後に試合前のシートノックでは一塁の守備位置に就いていたが、実戦では初めて。「問題なく元気にやれた結果だと思います」と言葉には充実感が漂う。
持ち味の打撃でもキラリと光った。二回1死で迎えた第1打席。フルカウントから遠藤の高め直球を振り抜き、中前に運んだ。「1打席目は自分のスイングが出来ていたと思います。振り抜けた?そうですね」と力を込めた。
初めて一塁で起用した平田2軍監督は「捕手も一塁も合わせてできたらね。交流戦もあるし、そういうところも含め、試合勘をつけてほしいのよ」。基本は捕手で数回、フル出場を果たすことが1軍復帰の条件。焦らせない方針だが、交流戦前後の昇格を見据えて段階を踏ませている。
1軍は現在、先発左腕をなかなか攻略できない試合が続いている。右打者の奮起が求められている状況だけに、原口は貴重な戦力となる可能性を秘めている。21、22日のBCリーグとの北陸遠征にも帯同予定。着実に階段を上がっていく。