島本 救援陣先陣で2回5K!キレッキレッ鮮やかG斬り
「阪神8-4巨人」(29日、甲子園球場)
勝利を目指して必死にバトンをつなぎ、チームとファンの期待に応え続けた。再三のピンチを踏ん張った粘り。宿敵を相手に最後まで持ち続けた勝利への執念。劇的な幕切れを演出したシナリオの1ページには、阪神が誇る鉄壁ブルペン陣の躍動が刻まれた。
救援陣の先陣を切ったのは19日・広島戦(甲子園)以来の登板となった島本だ。1点差に迫った直後の六回からマウンドへ。先頭代打・中島を高め直球で空振り三振に仕留めると続くゲレーロも見逃し三振。田中俊を一ゴロに抑えると、七回は1四球を挟んで3奪三振。球威ある直球にキレ味鋭い変化球を織り交ぜ、2回無失点。6個のアウトのうち5個が三振の内容に「点を取った次のイニングだったので、いい流れを持って来ようと」と少し胸を張った。
八回から登板した守屋が丸に被弾したが、九回はドリス、十回は4試合ぶりに登板したジョンソンが巨人打線を封じた。十一回は能見が三者凡退。そして十二回に登板したのは藤川。先頭の亀井に四球、1死から丸にも四球で一、二塁。しかし百戦錬磨のベテランは崩れない。岡本を中飛に仕留め、最後は中島をフォークで空振り三振。38歳の右腕が少年のような笑顔でガッツポーズを見せた。
サヨナラ勝ちの熱気が渦巻く試合後。甲子園での巨人戦初勝利は大きいのでは、と問われ「そうですね」と笑顔でうなずいた藤川。劇勝の下地を作ったブルペン陣が猛虎の屋台骨を支え続けていく。