ノムさん、阪神監督の受諾は「大失敗」 道上アナに告白

 ヤクルト、楽天などで監督を歴任した野球評論家の野村克也氏が8日、ABCラジオ「道上洋三の健康道場」(土曜、午前7・00)にゲスト出演した。99年から01年の阪神での監督生活を振り返った。

 ヤクルトでは9年間でリーグ優勝4度、日本一3度の輝かしい成績を残しながら、阪神では屈辱の3年連続最下位に沈んだ。「阪神に行ったのは大失敗」と断言。「ファンもマスコミもよそ者を相手にしない」と外様には冷たかったと指摘した。

 野村監督といえば、ID野球の原点でもある長時間のミーティングが有名だ。しかし、阪神では「聞いていないんだもん、誰も。まだか、まだかと時計ばっかり見ている」と当時の選手の姿勢を嘆いた。ミーティング終了を告げると、キャンプ中にもかかわらず、選手は一斉に外出。「ダメだ」と阪神でのチーム強化をあきらめたという。

 春季キャンプ終了後、当時の久万オーナーに「自信ありません。辞めさせてください」と退任を直訴。「このチームを変えられるのは怖い監督でないとダメ」と星野仙一氏を推薦。01年限りで野村氏が退団後、実際に星野阪神は誕生する。野村氏が「ズバリ的中ですよ」と言うように、星野監督は就任2年目の03年に18年ぶりリーグ優勝を果たす。

 道上アナは「荒れた田畑に水をまいて、ちょっと芽が出るかもしれないなとなった頃に星野さんがやって来た」と野村氏の土台作りの功績を評価。星野阪神になると、球団は伊良部、下柳、金本と続々と補強を敢行した。

 「野村さんの頃にあんな補強をしましたかね?」と尋ねると、野村氏は「与えられた戦力でやるという考えを持っている」と持論を展開。「僕から『これを獲得してくれ』『あれを獲得してくれ』などと、どの球団に行っても言ったことはない」と信念を貫いた結果だった。

 同局によると、野村氏は次回15日放送分にも出演。17年12月に先立たれた愛妻・沙知代さんへの思いを語る。

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