マルテ V撃!土曜日の6連敗止めた!家族の前で約束のお立ち台
「交流戦、阪神6-2西武」(22日、甲子園球場)
6連敗中の寂しい土曜日にサヨウナラ!阪神は先発野手全員の12安打で6得点を奪い、西武に逆転勝ち。四回にジェフリー・マルテ内野手(28)が決勝の左前2点打を放った。3番・糸井、4番・大山と合わせ、今季5度目のクリーンアップ全員打点をマークした猛虎。ペナントレースの折り返しとなる72試合目で貯金ターンを果たし、広島、巨人を追走して行くで~!
本拠地を真っ黄色に染め上げたスタンド。今季最多となる4万6726人の中に、大切で、かけがえのない4人の姿を見つける。マルテが家族へと贈る一打を放った。「スペシャルな日になった」。お立ち台で大歓声を浴びるパパは、とてつもなくかっこよかった。
その一打が、球場のムードを一変させた。2点を追う四回だった。糸井の適時打でまずは1点を返すと、大山も二塁打で続く。1死二、三塁という最高の場面で、打席が回ってきた。「絶対に得点しよう」。強い思いをバットに込めた。
カウント1ボールからの2球目だった。鋭いスイングで、白球を捉えきる。左前へとはじき返すと、二走・大山も一気に逆転のホームへ生還した。「取り返す機会があればと思っていたので、よかったです」。21日の同戦では無死満塁の好機で空振り三振に。悔しさを胸に秘め、来日初の決勝打を呼び込んだ。
会いたくて、会いたくてたまらなかった。毎日のように遠く離れて暮らす家族を思い続けた日々。そんな家族が来日してから、約1週間がたった。今では“行ってきますのキス”で送り出してもらうのが日課。そしてこの日は、最愛の妻からおねだりされたという。
「今日、もしヒーローになったら人形をプレゼントしてね」
大歓声の真ん中で、誇らしそうに笑っていた。家族との約束を果たしたお立ち台。大きな手には、ヒーローの証し…トラッキー人形が大事そうに抱えられていた。「これは3つ目なんですけど、2つはもう子どもたちにあげたので。妻にあげたい」。夫から妻へ。最高の贈り物となった。
離れていても、近くにいても、家族への思いが原動力だ。毎日練習前に行う室内での打ち込みも、余念がない。「ファンの人にも、家族にも支えられて、こうして野球ができていることに感謝しています」。土曜日に6連敗という負の連鎖を止め、シーズンを貯金2でターンだ。勝利を呼び込んだのは、家族のヒーロー・マルテ。子どもたちの前で、パパが輝いた。