矢野監督 勝負手不発「点取らんと勝たれへん」2カ月ぶりの借金生活逆戻り

 ベンチでグラウンドを見つめる矢野監督(左から2人目)=ナゴヤドーム
3枚

 「中日1-0阪神」(30日、ナゴヤドーム)

 ゼロじゃ勝たれへんやん…。阪神は今季3度目のサヨナラ負け&7度目の完封負けで中日に痛恨の連敗。約2カ月ぶりの借金生活に突入し、首位・巨人とは今季最大タイの5・5ゲーム差に広がった。考え得る限りのタクトを振って眠れる打線の目を覚まそうとした矢野燿大監督(50)。次カードは好相性の横浜スタジアム。猛虎打線よ、頼むから起きてや!

 本塁が遠い。ただ、このままでは終われない。延長十一回。矢野監督が勝負に出た。

 先頭の木浪が中前打を放って出塁。続く代打・北條にはバスターエンドラン、さらにスリーバントを指示し、1死二塁と得点圏に走者を進めた。ここで不振の近本に対して初めて代打を送り、原口を起用。1点をもぎ取りに行った。

 「もう行かんとね。点を取らんと勝たれへんし。自分の中で行けるところで、一番現状では点を取れるということを選択した」

 だが、積極的なさい配も実らない。代打・原口、糸原も凡退し均衡を破ることはできなかった。中日の2安打を上回る6安打を放ちながら、スコアボードに並んだのは11個の「0」。今季7度目の完封負けに、同3度目となるサヨナラ負けの屈辱を上塗りされ、4月30日以来、2カ月ぶりの借金生活へ突入してしまった。

 試合後、指揮官は開口するなり、打線の決定力不足を嘆いた。「ゼロじゃ勝てへんしね」。結果的に先発・柳に8回無失点の好投を許したことが最後まで響いた。

 右腕に喫した10三振のうち、8つが変化球での空振り三振。特に縦に大きく割れるスライダーに苦しんだ。柳との今季対戦成績は4試合で0勝2敗、防御率0・93。“天敵”となりつつある。

 矢野監督は「柳は今、調子がいいところやと思うけど。追い込まれてからのバッティングとか、いい投手でも点を取っていかんとダメなんでね。そういうところは、課題としてある」。チームはAクラス争いをしており、今後も好投手をぶつけられる可能性は高い。優勝を果たすためにも相手を上回る技術、精神力を身につけていく必要性を口にした。

 連敗発進で、首位・巨人とは最大タイの5・5ゲーム差となった。過去5度のリーグ優勝で、最大の逆転優勝は64年の6・5ゲーム差。データ上は崖っぷちに追い込まれつつある。

 清水ヘッドコーチは「いつもと同じ。やることは何も変わらない」。指揮官の思いを代弁し、選手を鼓舞するように力を込めた。2日からは横浜で9勝3敗と相性がいいDeNA戦。息を吹き返すきっかけにしたい。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス