原口球宴インタビュー ガツガツコミュニケーション!少しでも一流に近づきたい!

 笑顔で入場する原口
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 「マイナビオールスターゲーム2019」にプラスワン投票で選出された阪神・原口文仁捕手(27)がインタビューに応じた。大腸がんから復帰し、3年ぶり2度目のオールスター選出。改めてファンへの感謝を口にし、球宴の思い出や、プレー以外での“目標”も明かした。

  ◇  ◇

 -2度目のオールスターはプラスワン投票での選出となった。

 「前半戦に成績を残している選手がいる中で、この数字(成績)で出させてもらえるというのはすごく感謝したいです。申し訳なさも多少ありますが、出るからにはいいプレーをしたい。阪神ファンだけじゃなく、応援してくれている他球団のファンの方にもいいプレーを見せられるように。プレーで恩返しができるようにしたいなっていう思いです」

 -どういうところを感じてほしいか。

 「その日に1試合だけのプロ野球なんで。すごく注目が集まる試合の中で僕が出る意味というのは、他の選手とはちょっと違った意味もあると感じています。プレーでいろんなことが伝わったらうれしいですけど、なかなか出場機会が限られてくるので。その中で打席だったり、フィールドに立てるっていうことがやっぱりすごいことというか…。こっちが何かっていうのじゃなくて、見ている方たちが何かを多少でも感じてくれれば、出られた意味があるのかなと思います」

 -大腸がんから復帰の時にはファンへ感謝の言葉を口にし、試合を重ねてオールスターの選出。感謝の思いが強まったり、新たに生まれた思いなどは。

 「毎回打席に立つたびに、すごい大歓声をもらっているのは自分でも分かっているので、本当にみなさんに感謝しています。何とか結果で応えたいっていう思いで、日々やっています。相手もいる中で結果が出せたり、出せなかったりの繰り返しですけど、本当にすごくやりがいを感じながら今シーズンを送れています。こういう大歓声をもらえる選手っていうのはなかなか数少ないと思うので、自分は恵まれてるなという感謝の気持ちでいっぱいです」

 -自身の応援歌の歌詞は今の状況とぴったりだが。

 「それは本当にありがたいっすよ。すごいですね、考えてくれた人も」

 -他球団にも病気のことを心配してくれた選手もいた。

 「そうですね。前半戦最終カードでは、(巨人の)坂本勇さんや陽岱鋼さんに甲子園の室内練習場で話し掛けていただきましたし、そういうのはうれしいですね」

 -今年のオールスターは自身が幼い頃に行っていた東京ドームと、今の本拠地の甲子園で開催。思い出は。

 「松井秀喜さんかな、やっぱり。すごいホームランを打っているっていうのが印象に残っています。なかなか東京ドームと甲子園が重なるってことがない中で、その時に出られるっていうのはすごく運がいいというか、持っているなと。みなさんが選んでくれたおかげっていうのが一番なんですけど。すごく僕の中でもうれしい思いですね」

 -オールスターで覚えているシーンは?

 「やっぱり球児さんの予告全球ストレートは強烈ですよね。またそれにフルスイングで応えるカブレラと小笠原(道大)さんっていうのがすごい。ああいうのがやっぱり野球の醍醐味(だいごみ)で、なかなかシーズンではできないことをして、すごく夢があるな、すごく憧れるなって。強烈なインパクトが残っていますね」

 -自身は16年にオールスター初出場。得たものはあったか。

 「キャッチャーの人にたくさん話を聞けました。その時は先輩方が結構、多かったんですけど、今回は年下も選ばれている。年齢関係なくすごくレベルの高い選手が年下にもいるんで、積極的に聞きに行きたいなと。なかなかキャッチャーやってると腹を割って話してくれないと思うんですけど、“僕はバッターです”って顔をして行って、腹を割って話してもらおうかと(笑)。少しでも一流の人に近づきたいし、結果を残している人にどうやっているのかアドバイスをもらいたいなと思っています」

 -初出場だった前回は緊張感もあったか。

 「そうですね。最初はやっぱり緊張感の方が強くて。1軍に上がったばっかりだったし、テレビで見ている人ばかりだったので、多少は遠慮もあったんでね。今回はガツガツね。ウザいなって思われるぐらい、『何しに来たんだコイツ』って思われるぐらい、コミュニケーションを取りたいなって思います(笑)」

 -前回のオールスター出場時と違うのは、結婚して子供もできたこと。

 「そうですね。家族が増えてのそういう特別な舞台なんでね。すごくうれしいです。まあ(まだ幼いので)記憶には残っていないと思いますけど、何かを残せたらなとは思います」

 -自身のツイッターに上げていた「オールスター出場」の文字が書かれたケーキは、奥さんからのサプライズ?

 「(選出後)帰ったら出してきてくれました。ありがたいです。(照れ笑いで)そこはもう、いいっす」

 -後半戦に向けて。今の成績に対しては。

 「現状、満足はしていないです。数字以上に貢献していれば、多少は納得できるところもありますけど。出だしは良かったですけど、まだまだ。今は我慢の時期かなと。1軍で戦力にならなかったら、ファームに行くっていうのは当たり前のことで、自分の体のことは関係なしに。チームが勝つことがプロ野球の中では全てのことなので。自分が結果を出せない時はしょうがない。それも含めて前向きにやっていかないといけないと思っているので。そうならないようにしっかり準備をして、結果を残すためにできること全てやっていくだけですね」

 -その中でも野球を楽しむというスタンスは変わらない。

 「それは全然変わらないですね。楽しんでやる中で、必死さとかが必要になってくる。楽しさプラスアルファで、勝負の世界で戦わないといけないのは分かっているので、両方を追い求めてやっていきたいと思います」

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