球児 雨中の3人斬り 7年ぶり夢舞台、06年全球“火の玉”再現
「マイナビオールスターゲーム・第2戦、全セ11-3全パ」(13日、甲子園球場)
7年ぶりに出場した夢舞台。「見に来てくれたファンがすごいプレーを見られたっていうのが一番」。プロ20年目の大ベテラン、阪神・藤川球児はすべてを俯瞰(ふかん)して、大局的に見ていた。
九回、球児がマウンドへ上がる。投じた12球すべてが直球。「(雨で)下が悪かったんで、直球でストライク中心に投げていこうと」。全球予告直球勝負で二者連続三振を奪った伝説の06年とは少し意味合いは違う。
だが2死からパ・リーグ首位打者の西武・森を迎えた場面はギアが上がった。初球にこの日最速となる146キロをマーク。フルスイングで応えた森から空振りを奪ったシーンは、13年前を思い起こさせる熱い場面だった。最後は左飛に打ち取り、三者凡退で締めた。
「近本も主力に育っていく中で、MVPを取って12球団のトップの選手から認められたのは成長につながる」と後輩の活躍に目を細める球児。そのそばを巨人の原監督が偶然通りかかった。
「後半頑張ろう!」「お願いします!」
夢舞台は終わった。「去年が最下位だったので選手(紹介で)呼ばれるのも(阪神が)最後だったんでね。そのへんは頑張らないと。また後半戦頑張ります」。すでに球児の視線は15日から再開するリーグ戦に向いていた。