「中日４－２阪神」（１５日、ナゴヤドーム）

　チャンスを生かしたかった。阪神の陽川が２試合連続の先発起用に応える、一時同点に追いつく２号アーチ。「いい形で捉えることができました」。ベンチで久しぶりとなる“ゴリラポーズ”での祝福に、誇らしげに笑った。

　１点を追う三回。２－２と追い込まれてからの５球目だった。外角高めの１４７キロ直球に反応すると、打球は大きな弧を描き、そのまま右翼席へと届いた。「先頭だったので、どんな形でも塁に出たいと思っていました」。陽川の思いが白球に乗る。６２試合ぶりの一発と、最高の結果を叩き出した。

　それでもチームは逆転負けを喫し、４連敗。求められる長打力を見せたが、勝利へは届かなかった。プロ入り後初めての逆方向への一発。徐々に調子を上げ、後半戦浮上への切り札となる。