「ウエスタン、阪神０－３中日」（２６日、甲子園球場）

　１軍昇格への道が見えた。今季初めて甲子園のマウンドに上がった阪神の藤浪が、予定の６回を投げ６安打２失点、５奪三振。四死球は０で「良い感じで投げられたのは確かです」と手応えを得た。

　後輩との注目のプロ初対決は初回２死走者なしで実現した。中日の「３番・遊撃」で根尾が打席へ。ともに大阪桐蔭高出身で甲子園を沸かせた２人。視線が集まる中、藤浪は力強く腕を振った。最速の１５４キロ直球が３球目に飛び出すなど威力十分。真ん中高めの直球で左飛に打ち取った。

　根尾の第２、第３打席は連続三振に斬った。五回２死三塁ではカウント１－２から１５３キロ直球を内角に投じ、根尾に手も足も出させなかった。「ランナーもいましたし、根尾君。締めなきゃいけない場面だった。（先輩として）ちょっとでも良いボールを見せたいとは思っていた」と貫禄を見せつけた。

　これまでの先発はＤＨ制が敷かれ、打席に立たなかったが、この日は「９番・投手」で出場。平田２軍監督は「いつ呼ばれてもいいように打席にも立たせた」と説明した。藤浪自身も「打席に立つということは（１軍も視野に）そういうところかなと。いつ呼ばれてもいけるように準備したい」と見据えた。

　藤原オーナーが就任以来初の２軍戦視察。秋山が抹消された中、昇格候補の藤浪がオーナーの目の前でスタンバイＯＫを印象付けた。８月１日の中日戦（甲子園）に中５日で投げる可能性もある。１軍先発マウンドは、そう遠くなさそうだ。