藤浪が1軍に合流 8・1中日戦で今季初先発の可能性高まる

外野で走り込む阪神・藤浪晋太郎=甲子園(撮影・北村雅宏)
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 開幕から2軍調整を続けてきた阪神藤・藤浪晋太郎投手(25)が29日、兵庫・西宮市の甲子園球場で行われた投手指名練習に合流した。3月に再調整で降格になって以降、1軍本隊に合流するのは初めて。8月1日・中日戦(甲子園)で、今季初先発に臨む可能性が高まった。

 藤浪は約2時間、キャッチボールや投内連係、その後はブルペンで感触を確かめるなど、入念に屋外練習を終えた。8月までずれ込むことになった今季初登板。それでも右腕に悲観した様子はない。「やるべきことは代わらない。この時期だからどうとかというよりも、自分のやるべきことに集中したい。それだけです。特別な思いもないです」。じっくり自分自身と向き合い、技術練習に励んできた5カ月間。鍛錬を続けた日々を経て、言葉にも力がこもった。

 「もっと早い時期にとは思っていましたし、極力早い時期にとは思っていましたけど。そういうのからしたら遅いですけど、それ以上に大事なことがあると思って、課題と向き合ってきましたから」

 苦しむ台所事情を救う存在として、ようやく右腕に白羽の矢が立った。プロ7年目にして初めて開幕を2軍で迎えた今シーズン。3月12日・中日(ナゴヤ7ドーム)とのオープン戦で4回を無安打1失点。結果上では抑えた形だが、4四死球と苦しんだ内容に「正直、自分自身にガッカリした」と、2軍での再スタートを決意し、自ら矢野監督に申し出ていた。

 降格後は2軍首脳陣に「時間をください」と頭を下げ、模索を続ける毎日だった。「本当は1軍にしがみつきたいし、ローテにも入りたい。もう1回チャンスをくださいというのも手だったかもしれないけど、それ以上にもっとやるべきことがあるので」。連日のようにブルペン入り。ワインドアップやノーワインドアップ、2段モーションなどを試しながら、必死に取り組んだ日もあった。

 ここからの2カ月以上の調整期間をあけて、ウエスタン・広島戦(由宇)で67日ぶりに実戦登板。1回を無安打無失点、1奪三振と上々の再スタートを切ると、ここまで8試合に登板。1勝3敗ながら、防御率1・88と安定した成績を残してきた。7月26日の同中日戦では、今季初めて甲子園のマウンドに上がり、打席に立って、予定の6回を投げ6安打2失点、5奪三振。四死球は0で「良い感じで投げられたのは確かです」と手応えを得て、“1軍リハ”を完了させていた。

 矢野監督も同日、「先発も今、十分かと言われると、そういうふうに言えない部分もある。晋太郎が帰ってくるというのはプラスになると思う」と、1軍戦力として期待を寄せていた。

 今週は中日、広島との6連戦(甲子園、マツダ)。チームは勝ち越したものの、28日の巨人戦(東京ドーム)に敗れ、自力優勝の可能性が再消滅している。現在、首位とは8・5ゲーム差の4位。残り48試合、再浮上を狙うチームに、頼もしい男が帰ってくる。「いいプレーをして、いい顔で投げたいと思っています」。打の救世主が新助っ人のソラーテなら、投のそれは、藤浪に尽きるだろう。チームに流れを呼ぶ快投が期待される。

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