福留 今季4度目の猛打ショー!東京ドームで打率・571
「巨人2-1阪神」(16日、東京ドーム)
厳しい表情を一切、崩さなかった。試合終了後、足早にベンチから引き揚げた阪神の福留。今季4度目の猛打賞をマークした大黒柱の奮闘も、勝利につながらなかった。
まずは、初回1死一塁から好機を広げる一打を放った。カウント2-2から桜井が投じた132キロチェンジアップに反応。鋭い打球を右前へはじき返し、ソラーテの先制犠飛を呼び込んだ。打線のつながりを生み出し、試合の主導権を握った。
打線が右腕を攻めあぐねる中、ベテランのバットは躍った。三回1死からは痛烈なライナーを中前へ運んだ。追加点にはつながらなかったものの、示した存在感。これで桜井との今季対戦成績は6打数5安打1本塁打の打率・833と、キラーぶりを発揮した。
気迫の一撃は1点を追う八回。先頭で打席を迎えると、2番手・高木に二塁前へのゴロに打ち取られたが、全力で一塁を駆け抜けてこの日3安打目となる内野安打をもぎ取った。7月28日の巨人戦以来、13試合ぶりの猛打賞。「自分のことどうこうではない。状態を上げていかないといけない」。記録より、勝利につながる結果を残すことを見据えた。
矢野監督は「嘉男(糸井)もいない中で、ちょっと休みをなかなか作ってやれないけど、孝介も『行く』ということを言ってくれるし、そういう姿勢を見せてくれている」とチームを支えるベテランの姿に感謝した。
何度も得点圏に走者を進めながらも、決定打を欠いた打線。先発の高橋遥を援護できず、接戦をものにできなかった。「それは野手の責任だし、何とか点を取っていかないと。誰がじゃなくて、全員でやっていかないといけない」。東京ドームで28打数16安打の打率・571を誇る福留が打線の軸となり、勝利をけん引する。