福留42歳必死のガッツ 落合超え日米通算2372安打

 「阪神8-0DeNA」(20日、京セラドーム大阪)

 勝利への執念をバットに込めた。目の前のチャンスを大黒柱は逃さない。3連敗中のチームを窮地から救う、走者一掃の3点二塁打を放った阪神・福留。二塁ベース上で思わず拳を握り、両手を力強くたたき合わせた。

 「あそこで1点だけじゃなく。1点というのにずっと苦労してきているので。バットに当てない限りは話にならない。そう思って、必死に食らいついていった」

 勝機を一気に高めたのは1点を先制した直後の五回、なおも2死満塁の場面。カウント1-2から浜口が投じた外角低めのチェンジアップをすくい上げた。鋭い打球は右中間を真っ二つ。一走・木浪も最後はヘッドスライディングで生還した。

 痛快な暑気払いとなる一撃は価値ある一打となった。これで自身の日米通算安打は2372本。地道に快音を積み重ね、落合博満の通算2371安打を上回った。

 ただ実感するのは、記録よりも勝利に導けたこと。「(記録は)全然知らなかった。こうやって長い間やらせていただいているので、そういうのが記録になったのかなというのもありますし、それはそれでよかったかなと思います」と淡々と振り返った。

 この勢いを無駄にしないためにも、同じ轍(てつ)は踏まない。打線の流れを欠いて前カードの巨人戦では3連敗を喫した。「それ(打線)がうまくいくときといかないときがある。『今日できた』。じゃあ、それでいいではなくて、また明日一人一人がそういう気持ちを持ってプレーできればいい」と一丸となって戦う必要性を説いた。

 勝ちにつながる姿を福留が示せば、後輩はその背中を追うしかない。目の前の一戦に全力を注ぐスタイルは、どれだけ実績を積み重ねても、変わらない。

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