矢野監督、連敗3で執念脱出 逆転CSへ号砲3発8点!
「阪神8-0DeNA」(20日、京セラドーム大阪)
緊急ミーティングで一丸や!阪神はDeNAに快勝し、連敗を3で止めた。矢野燿大監督(50)は試合前のシートノックを取りやめ、動画などを用いながら選手たちに一戦必勝の姿勢を貫くよう訴えかけた。これが功を奏してか、久々に投打の歯車がかみ合っての勝利。3位・広島とは5ゲーム差。逆転CS進出へ、あきらめない姿勢を猛虎が貫く。
仕掛けた。攻めた。可能性が残されている限り、諦めない。試合前の言葉に思いを乗せ、自らのタクトで体現した。連敗を3で止めた矢野監督はスタンドを見渡し、ファンの笑顔に表情を緩めた。
「先発に勝ちがついて、たくさん点を取ることもできにくかったので。本当にいい勝ち方」。先発・青柳は5回2/3無失点。打線は9安打を放ち、34試合ぶりの8点を奪取。試合前に思い描いた理想的な展開だ。
試合開始前、矢野監督はシートノックを取りやめてまで、選手、スタッフを集めて、思いを伝えた。
「原点に戻ろう」
現状4位でも優勝、CS進出の可能性は消えてない。残り30試合を前に、プロとしてあるべき姿を確認した。
「諦めない姿勢、戦う姿勢を見せることが今は必要だろう。満員のファンの前で野球ができる幸せを感じてやろう」。自分を見つめ直すメッセージが含まれた10分弱の動画も交えて力説。勝つ-。全員共通の目標へ向けて、思いを一つにした。
選手をグラウンドへ送り出すと、さい配にも勝利への執着心を見せた。五回無死二、三塁の場面では梅野と青柳に連続でスクイズを指示。ともにファウルとなって失敗に終わったが、選手が救ってくれた。木浪が満塁から先制の押し出し四球を選び、福留が走者一掃の3点二塁打を放って主導権を引き寄せた。
守備でも4-0の六回2死一、二塁。青柳を93球で降板させ、大山の打順にセットアッパーの岩崎を起用した。9番・三塁に北條を入れた。大山の途中交代は5月8日・ヤクルト戦以来、今季3度目。我慢して育ててきた打者でもベンチに下げる。勝利にこだわる姿勢は、選手へのメッセージでもあった。
「みんなで切磋琢磨(せっさたくま)してやってくれたらいいと思う」。今後は勝利を最優先し、大山をスタメンから外す可能性も示唆。全体練習開始前には大山、糸原、木浪、北條が早出特打を行った。全員がチームのために状態を上げ、戦う姿勢を整えていく。
首位・巨人とは11・5ゲーム差で、3位・広島とは5ゲーム差。現状は厳しいが、就任1年目の集大成で高い壁をぶち破る。