マルテ連夜の4番打ァ!逆転CSへ中押し&トドメ打ァ 新主砲がまた2打点
「阪神3-1DeNA」(21日、京セラドーム大阪)
日本が大好きだった。人を思いやる心、文化。阪神・マルテが活躍で恩返しする。「サイコーデス!!(明日も)オレガヤル!!」。覚えたての日本語を披露する。チームを連勝に導く2打点の活躍だ。お立ち台から、ファンと喜びを分かち合った。
勝敗の行方を左右させる4番を担って、10試合が過ぎた。悔しさも喜びも味わい、打席へと向かう。1点リードの四回だった。1死二塁で迎えると、内角の直球に反応。三塁線を破る適時二塁打で、スコアボードに追加点を刻んだ。さらに六回。1死三塁からDeNAを突き放す犠飛でもう1点。着実に得点を重ね、勝利を呼び込んだ。
10日の広島戦から4番を任されると、ここ10試合で打率・323。18日の巨人戦では、胸がつるというアクシデントに見舞われたが、「ダイジョーブ」と日本語で軽症をアピールした。欠かせない4番の存在。「ファンの人にいい試合を見せられてよかったよ」。勝利のために、日々バットを強く握る。
8月10日、愛する家族が帰国。遠征にもついてきてくれ、敵地でも変わらない声援を送ってくれる…だが、幸せな時間はそう長くは続かなかった。迎えた帰国日。少し寂しげな表情で「いつも一緒にいたからね」とつぶやいた。東京ドームシティでは、家族と楽しい時間を共有した。観覧車、水に浮かぶメリーゴーラウンド。事前に橘通訳に、チケットの買い方などを確認。パパが、スマートにエスコートした。
かけがえのない時間を糧に、今日も打席に立ち続ける。「日本の文化、人をリスペクトするところを家族も喜んでくれた」。遠く離れた場所から、今度は活躍を届けていく。笑って披露するのは、覚えたての日本語。「喜んでもらいたい」。大好きな日本のファンのために、日本が大好きな家族のために。強い思いは、言葉を伝わる。