近本 好返球で同点阻止!赤星に並んだ128安打 3位広島と3差
「ヤクルト3-8阪神」(23日、神宮球場)
改めてやけど…すごいルーキーや!今季最長タイの4連勝を攻守で引き寄せたのは阪神の近本光司外野手(24)だ。1点差に迫られた七回裏にバレンティンの中飛で本塁突入を狙った三走・山田哲を、ノーバン返球で阻止。リーグ断トツの10補殺をマークすると、直後の八回に球団新人安打記録で赤星憲広(128本)に並ぶ右前打を放ち、一挙3点の猛攻を演出。3位・広島とは3ゲーム差。CS圏内を視界に捉えた。
全力で左腕を振り抜き、放たれた送球はノーバウンドで梅野のミットに吸い込まれた。だが、間一髪のタイミングでいったんは「セーフ」の判定が下された。ベンチから矢野監督がリクエストを要求。約2分間のリプレー検証を中堅から見守った近本は、判定が「アウト」に覆ると、大歓声に包まれながらベンチへ戻った。
七回、1点差に詰め寄られなおも1死三塁。犠飛で同点という場面でバレンティンの打球は中堅へ上がった。「ラインにしっかり、強く投げようと思っていた。ボールは高かったですけど、よかった」。三走・山田哲のタッチアップに素早く送球動作に入った。
ボールはやや高めに浮いたものの、梅野がジャンプして捕球し、タッチ。リクエストで判定が覆るギリギリのクロスプレーで今季10個目の補殺を決めた。同点を阻止するファインプレー。赤星憲広が1年目に記録した9補殺を超えられた要因は、その準備にある。
試合前練習では、筒井外野守備走塁コーチと何度も送球練習を繰り返し、試合では手が滑らないようにグラブの外側に滑り止めを塗っている。同コーチは「ナイスプレー。あのケースだと1人で投げ切った方がいい」と称賛を惜しまない。
直後、先頭で迎えた八回の第4打席では、高めの直球を引っ張り込み、この日2安打目となる右前打を放った。この一打で積み重ねてきた安打数は128本に到達。01年に赤星憲広が記録した球団新人歴代4位の数字に並んだ。
記念の安打を起点とし、マルテ、糸原、大山とこの試合2度目の3者連続タイムリーでヤクルトを突き放した。攻守でチームに流れを呼び込み「自分の中ではどんな形でもいいから出塁しようと思っていた。(赤星の記録に並べたのは)光栄です。次の1本はいいところで打ちたい」と目標にしていた赤星超えは、勝利へ導く一打で達成することを誓う。
チームは今季最長タイの4連勝。3位・広島に3ゲーム差と迫り、CS圏内のAクラスが見えてきた。近本が見せる躍動-。これがチームの勢いを加速させている。