マルテ トドメの燕斬り!4番で集中力アップ 4連勝中は打点6
「ヤクルト3-8阪神」(23日、神宮球場)
火の出るような強烈な一撃が、一気に左中間フェンス付近まで到達した。初回、2死一塁で阪神のマルテが打席に立つ。ヤクルト先発・山田大に2球で追い込まれながらも、5球ファウルで粘り、迎えた10球目をフルスイングで引っぱたいた。
バットから放たれたゴロは遊撃・奥村の横を抜け、さらに左中間も一気に破る強烈な当たり。一走の福留が激走して先制のホームを踏んだ。2死走者なしからベテランが四球を選び、巡ってきた打席での先制打に「しっかりボールにコンタクトができるよう集中したことでアグレッシブな結果になったよ」と涼しい顔で振り返る。
そんな頼れる虎の背番号31が再び、チームのピンチを救う。1点差に迫られた直後の八回だ。三塁に走者を置いた得点機で左前へ運んだ。再びヤクルトを突き放す貴重な貴重な追加点。初回に続き、2死からの安打をきっかけに3者連続適時打となった。これぞ4番の仕事だ。
「4番に入ってから集中力がとにかくすごい。初回も粘った末の一打。外国人選手があれだけ“何とかしよう”と粘れば、チームのみんなに伝わるよ。うん、やっぱり4番が打てばチームは勝つんだよ」。自らも阪神の第83代4番を務め、その重さを知る浜中打撃コーチが、絶賛しながら大きくうなずいた。
8月10日に4番に座って以降、打率は・342(今季通算は・280)。この4連勝中に「4番・マルテ」が挙げた打点は「6」と大きく貢献している。それでも殊勲の助っ人は「自分だけでなく、みんなが頑張っているからだ」と謙遜する。
来季に向けたチーム編成が最終段階を迎える時期。単年契約で来日したマルテにとっては、残留へ向けての大きなアピールとなる。タイムリー欠乏症は、もう過去のこと。逆転でのCS進出へ。矢野阪神には今、頼もしい4番がいる。