近本が135安打 坪井に並んだ!阪神新人安打2位 5日ベイ倒で球団新決める
「DeNA7-5阪神」(4日、横浜スタジアム)
阪神が今季5度目のサヨナラ負けを喫した。敗戦の中、近本光司外野手(24)が六回に中前打、八回に遊撃内野安打で出塁。今季通算安打を、新人としては98年の阪神・坪井に並ぶ135本とした。これで高山が持つ球団の新人記録136本に王手をかけた。
ついに大記録へ王手をかけた。全力で一気に一塁を駆け抜けた阪神・近本。韋駄天(いだてん)ルーキーを象徴する内野安打で、16年に高山が打ち立てた球団新人記録の136安打に残り「1」と迫った。
「初球からセーフティーを試みたり、どんな形でもいいと思っていた。いい形ではなかったですけど、内からバットを出せた」
執念の一打は1点リードで迎えた八回。先頭で打席に入ると、5番手DeNA・石田が投じた1ストライクからの2球目、内角高めの129キロチェンジアップを振り抜いた。詰まった打球は遊撃前へ緩いゴロとなったが、自慢の快足で一塁はセーフ。今季通算135度目となる「H」ランプをスコアボードに灯した。
追加点が欲しい1点差の終盤で待望の出塁。だが、直後に痛恨のけん制死を食らった。「自分の中で走るタイミングを計っていたんですけど、それもすることができず、チームに迷惑をかけてしまった」と積極的な姿勢を見せようとした結果ながらも、好機をつぶしたことを反省する。
足だけでなく、注目されるルーキーのバット。同じ失敗を繰り返さないのも結果へと結び付いている。3打席無安打に抑えられた六回2死一塁での4打席目。ファーストストライクから仕留めにいった。3番手・武藤が投じた初球、143キロ速球に反応。鋭い打球を中前へ運んだ。一、二塁とチャンスを拡大し、貴重な追加点へとつながる一打となった。
残り19試合。着実に安打を積み重ね、偉業にも手が届きそうだ。1試合1安打を放てば、1958年・長嶋茂雄のセ・リーグ記録153安打を上回ることも可能となった。
サヨナラ負けを喫したものの、3位の広島も敗れたため、ゲーム差は2・5。CS進出へ負けられない戦いは続く。「きょうは負けてしまったので、気持ちを切り替えてやっていきたい」。猛虎の歴史に並ぶタイ記録、そして新記録。チームを勝利に導くためにも、近本が歴史に名を刻む。