近本 3戦連続マルチ!セ新人4位タイ139安打 9月打率・389
「広島6-3阪神」(6日、マツダスタジアム)
試合を振り返る阪神の近本の表情は、最後まで晴れることがなかった。前夜、球団の新人シーズン安打記録を更新した男が、達成感に浸ることなく3戦連続、通算39度目のマルチ安打。坪井の球団新人記録40にあと1と迫り、通算139安打は江藤慎一(中日)に並び、セ新人歴代4位とした。だが、3位・広島に敗れ、反省の言葉が続いた。
初回から見せ場は作った。1死から九里のシュートを狙い、右翼線を破る二塁打でチャンスメーク。六回は1死からチェンジアップを右前に運び、3得点を導いた。「塁に出て相手にプレッシャーをかけていくことはできた」。淡々と振り返る。2安打より2度の凡退を悔やむ。
「もう少し狙い球を、はっきりしたらよかったかなとは思いますね」。ただ、9月に入って4試合で18打数7安打。打率・389と頼もしい。シーズン残り17試合。長嶋茂雄(巨人)が1958年に記録した、セ・リーグ記録の153安打も視界に捉える。
ただ、ルーキーは強い口調で言う。「あした、あさっては何としても勝たないと」。求めるのは個人記録ではなく、チームの勝利にほかならない。「自分の結果じゃなく打撃、守備、走塁、全てでチームの勝ちを重視していきたい」。1点でも多く、一つでも先の塁を。勝つために縦横無尽にグラウンドを駆ける。