メッセンジャー 突然すぎる引退…10年間虎党に感動を与えた虎のサムライ

 阪神は13日、ランディ・メッセンジャー投手(38)が今季限りで現役を引退することを発表した。メッセンジャーが同日、球団に申し入れ、了承された。近日中に引退会見が行われる。2010年の入団から10年間もエースとしてチームを支えてきた右腕。日本通算100勝にあと2勝と迫っていた中、異国から来た“サムライ”は潔くユニホームを脱ぐ決断を下した。

 球団史に名を残した助っ人が、電撃的に引退を決断した。メッセンジャーはこの日午前中に球団へ現役引退を申し出て、了承。この日は鳴尾浜でコメントを残しておらず、谷本球団本部長が言葉を代弁した。

 「思い通りにならない、と」

 慰留したが、本人の意志が揺らぐことはなかったという。「これまでの功労に感謝しつつも、認めたということです。彼は本当にやりきったと。ベストを尽くしたような表情をしていたようなので」

 日本通算100勝にあと2勝と迫りながら自ら身を引いた。同球団本部長は、その潔さに「本当に最後までサムライやったと思います」とねぎらった。

 近日中に外国人選手では異例の引退会見が設けられ、今後はポストも用意される見通し。さらにチームのCS争いが決着した段階で試合が残っていれば、引退試合も検討される見通しだ。

 メッセンジャーは2010年に阪神へ入団。当初は中継ぎとして期待されていたが、先発転向後に才能が開花。11年から18年の8年間のうち7年で2桁勝利を記録。14年は13勝で最多勝に輝くなどエースとしてチームを支えた。

 昨年4月には国内FA権を取得。今季から虎の助っ人では史上初めて日本選手扱いとなり、外国人登録枠を外れた。5年連続6度目の開幕投手に指名され、4月5日・広島戦では日米通算100勝を達成した。

 しかし中盤以降は不振に陥り、7月10日・巨人戦は2回4失点でKO。翌日に出場選手登録を抹消された。右肩の治療のため、シーズン中ながらも米国へ一時帰国。懸命に再起を図ったが、12日の四国ILp・徳島戦で5回4失点と本来の輝きは取り戻せなかった。

 中4日での先発マウンドもいとわず、どんな状況でも右腕を振り抜いた助っ人。17年には8月に右足腓骨(ひこつ)骨折の重傷を負いながらも、CS直前に復帰し、DeNAとのファーストS第1戦では6回無失点の好投で勝利に貢献した。

 その時、ファンや関係者が親しみを込めて贈った“サムライ”の称号-。一時代を築いた男が、誰よりも潔くユニホームを脱ぐ。

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