近本 2桁安打着火の先制V撃!残り11戦CSあきらめん3・5差

 3回、3ランを放った福留(8)の生還を笑顔で迎える近本(右)
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 「中日1-7阪神」(13日、ナゴヤドーム)

 阪神は11安打7得点と打線がつながり、中日に快勝。負ければ5位転落となる一戦で近本光司外野手(24)が、三回に先制の中前適時打を放ち、直後に今季31個目の二盗を決めるなど、打線の起爆剤になった。リーグ新人記録となる長嶋茂雄(巨人)が持つ153安打にあと6と迫り、チームは3位・広島に3・5ゲーム差。CSの可能性がある限り、虎よ、突っ走れ!

 大記録が迫っても、その目は勝利だけを見据える。負ければ、5位転落となる一戦で近本が見せた執念の一打。通算147安打目は望みをつなぐ先制打となり、プロ野球の新人では1950年の河内卓司(毎日)と並んで歴代6位となり、偉業へと近づいた。

 今季、対戦防御率0・93と苦戦を強いられていた相手先発・柳が見せたほころびの兆しを逃さなかった。2本の安打で1死一、二塁の好機を作り出した三回。近本は2球で追い込まれながらも、頭の中は冷静だった。

 「2球目のチェンジアップを空振りしていたので、真っすぐがきても両方対応できるようにと考えていた」。3球目、高めに浮いたチェンジアップに反応。鋭い打球は右腕の足元を抜け、先制の中前適時打になった。

 58年に長嶋茂雄(巨人)が残したセ・リーグ新人最多の153安打まで残り6本。好調を維持し、大先輩の背中を追っていく中、積極的な姿勢はバットだけではない。

 「チャンスがあったら、常に狙っていきたいと思っている」と、足でも果敢に攻めた。次打者・福留の初球で鮮やかに二盗を決めた。武器である足を使って得点圏を演出するために、自分自身に課しているのが盗塁の成功率。「あまり力みすぎないように」と、より良いスタートを切るために、塁上では脱力することに重点を置いている。

 33盗塁でリーグトップのヤクルト・山田哲まであと2に迫り、福留の9号3ランも誘発。ルーキーの11試合連続安打となる一打、そして快足が11安打7得点の猛攻を呼び込んだ。残り11試合で、3位・広島とは3・5ゲーム差。逆転CS進出へ勝ち続けるしかない。そのために、近本の打棒と足は止まることなく、最後まで突っ走る。

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