阪神メッセンジャー引退会見「よくやられました、ジャイアンツの坂本選手」【一問一答】
今季限りでの現役引退を発表したランディ・メッセンジャー投手(38)が18日、兵庫・西宮市内のホテルで引退会見を開いた。以下、会見要旨。
(会見場に姿を見せると、詰めかけた報道陣に驚き、日本語で)
「オッケー、サヨナラ。オツカレ!!」
(冒頭で自ら)
「阪神タイガース、背番号54番。ランディ・メッセンジャー。今年が最後の年になりました。会うことがないかと思うと、本当にクレイジーな感じがします。プロ21年、日本で10年間、いろいろありました。まずは阪神タイガース、こういう機会を与えて下さったチーム、球団関係者のみなさまに、感謝を申し上げたい。この10年でお世話になった監督、コーチ、首脳陣の方をはじめ、トレーナーの方々、球団スタッフ、チームメート。僕のボールを受けて下さったキャッチャーの方々、お世話になりました。本当はまだやりたい気持ちもありますが、自分の体、腕がもう潮時だといっている。いまがその時かなと思い、決断しました。そして妻・ベネッサにも感謝したいと思います。こんなにこの場が難しいと思っていなかった」
(代表質問で)
-初めに引退会見の席に座った心境は。
「本当、いつかこの日がくると分かっていたが、想像していた以上につらい、さみしい。いろんな思いがある」
-まだプレーできると思っていた。決断の理由は。
「本当にこれまでたくさん、ファンの方々に支えていただいた。自分の体がもう、悲鳴をあげている。限界にきていると体が言っているので、仕方ないと思い、決断しました」
-誰かに相談した。
「家に帰って妻と相談したが、自分で決めること。体と相談しながら決めたこと」
-妻の反応は。
「最初に妻と話した時は、ファンの方々と同じリアクション。信じてくれなかったが、いろんな壁を乗り越えることを近くでみてくれていた。付き合いが長いからね(笑)」
-日本100勝まであと2勝だった。
「自分の数字を見ていただいたら分かるが98勝、84敗。勝敗がつかないのが81試合ある。この81試合のなかで2つ…と思うと、非常にちくしょーと悔しい思いがあるが、それも野球。致し方ないことかなと思う。もちろん今年の目標の1つとして、100勝を達成したかった。外国人選手最多勝利を目標にしていた。それができなかったのは、悔しい思いもあります」
-成功のひけつは。
「日本に初めてきた初日から、自分自身の心を開いて、新しい国で文化を尊敬しながら、受け入れていくことが大事。過去に日本でプレーしたことのある選手から話も聞いていた。心を開いて、柔軟に文化に対応していくと心掛けていく。それが1つかなと思います」
-思い出のシーンは。
「最高の思い出は2014年。これだけタイガースとジャイアンツの伝統2チームが戦って、そのジャイアンツ相手に4連勝したクライマックスシリーズ。印象に残っている。ライバルのジャイアンツ相手に好投できた日、特に甲子園でそれができたのは思い出。つらいことはいっぱいあったが、最下位で終わった年は1番つらかった」
-10年間、守り抜いた甲子園のマウンドは。(ここで涙があふれ出てしばしの沈黙)
「本当に大きな意味を持った場所でした」
-50年前、バッキー投手というエースがいた。
「彼の存在は非常に大きいです。彼が自分自身のファンとしていてくださった。100勝の彼の記録を抜くというのを、一番望んでくれていた方。大きい存在だった。バッキーとは、特に妻がメッセージのやりとりや、電話をして良好な関係を築いてくれていた。僕が数字を残すことでまた、バッキーさんの成績がメディアで取り上げてもらえる。そう思って、バッキーさんの家族にもすごいことを成し遂げた方だと思ってもらいたかった。そこは誇らしげに思うし、うれしく思います」
-タイガースの投手、若手投手に伝えたいこととは。
「たくさん、本当にいい球を投げる若手がいる。応援し続けていきたい。自分が言えることは、一生懸命に頑張っていれば、必ずいいことが起こる。自分自身で限界を決めず、追い込めるところまで追い込んで、練習をしてほしい。ほとんどの投手が、自分はルーキーの時から見ている。頑張ってほしいね」
-今後のビジョンは。
「想像しがたい部分があるが、たくさんの時間を野球に割いてきた。これからは奥さん、子供たちとの時間をまずは、じっくり楽しみたい」
-ファンに向けて。
「本当にこれまでたくさんの応援、サポートに感謝申し上げたい。野球をやっている姿で、みなさんが笑顔になってくれる。そんな経験はなかなかない。自分が好きなことをやって、人々の笑顔をつくることができた。みなさんに感謝を伝えたい。9月29日に引退試合として、投げさせていただきます。みなさん、チャンスがあれば球場に足を運んでいただいて、自分が最後に投げる姿をみていただきたいと思います。覚えてもらえるような、心に残る投球がしたいと思っています」
-対戦して、ワクワクした打者は。
「自分がよくやられました、ジャイアンツの坂本選手。本当に彼とは対戦も楽しみましたし、いい成績を残された。いい選手だと思っていますし、よく打たれました。彼と対戦する時はいつもワクワクというか、胸の高ぶりはありましたね」