横田が引退会見で涙 脳腫瘍から復帰目指すも「球も二重に見え…」「厳しい」

記者に囲まれ、目頭を押さえる阪神・横田慎太郎=西宮市内(撮影・北村雅宏)
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 脳腫瘍からの実戦復帰を目指してきた阪神・横田慎太郎外野手(24)が22日、西宮市内で会見し、今季限りでの引退を表明した。

 会見場には背番号124のユニホーム姿で登場。「自分で決めたことでもありますので、全く後悔はありません。自分で打った打球も全く見えず、ピッチャーが投げた球も二重に見えたり、目の方がぼやけることが多く、続けるのは厳しいと思い、決断しました。2年半、すごく苦しかったですけど、野球をやりたいと思ってやってきたので全く悔いはありません」と決断に至った経緯を明かした。

 プロ6年間での思い出を問われると、「(16年に)開幕スタメンで試合に出たのもですし、病気になって2年半もがいて苦しんだこの2年間もすごくいい思い出です」と振り返った。

 また、目標だった背番号24を取り返すことはかなわなかったことについては「桧山さんという素晴らしい選手の番号なので、最初は僕でいいのかなと思いましたけど。もう一度取り返してやるという気持ちだったので、今はすごく残念ですね」とも話した。

 約10分間の会見中は前を見据えて、全ての質問にはっきりとした口調で答えていた。だが、引退会見後の花束贈呈にサプライズで高山と北條が登場すると、初めて表情を緩めた。「お疲れさま」と声を掛けられて、花束を受け取った。

 会見後の記者囲み取材で家族のサポートについて問われると、言葉に詰まって涙があふれ、目頭を押さえるシーンもあった。

 谷本球団本部長は引退試合の予定について「試合に出るために彼は努力をしてきたので。その夢はかなえてあげたいなと思います」と日程の調整がつけば盛大に送り出す方針を示した。

 また、セカンドキャリアについては「彼の生き方そのものが素晴らしい。彼の存在がいい影響を与えられるようなポジションがあれば」とすでに引退後の働き場所を提示していることを明かし、現在は横田の決断を待っている。

 横田は17年の春季キャンプ中に頭痛を訴え、同2月11日に緊急帰阪。精密検査した結果、脳腫瘍が判明した。17年8月30日の最終検査で寛解と診断され、同9月からリハビリを開始。同年オフには育成選手契約となり、背番号は「124」となった。

 今年は、春季キャンプでシート打撃以外のメニューに入り、「ほぼ全メニューに入れている」と気合十分な姿があった。

 開幕後は鳴尾浜での試合やウエスタン・オリックス戦(舞洲)など、関西圏のビジターの試合にも帯同。ベンチ入りもしてきたが、実戦復帰には至っていなかった。

 「一進一退と言いますか、今は(同じ所で)ずっと止まっている。次の段階に上がれるようにやっていきたい」。今季中の実戦復帰へ意欲を示していたが願いはかなわず、ユニホームを脱ぐことを決断した。

 引退会見前の午前中には鳴尾浜球場で2軍首脳陣、選手たちに引退を報告。選手寮「虎風荘」から会見場へ向かう際には、ファンへ「ありがとうございます」と笑顔で手を振る場面もあった。

 横田は13年ドラフト2位で入団。16年に初めて1軍春季キャンプに参加すると、オープン戦でも結果を残して開幕1軍入り。同3月25日の開幕戦・中日(京セラドーム)で「2番・中堅」で1軍デビューした。通算成績は38試合で打率・190、0本塁打、4打点だった。

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