球児 通算防御率1点台に突入 日米通算242S 名球会入りへあと「8S」
「阪神3-0DeNA」(22日、甲子園球場)
無失点リレーを完結させた阪神の藤川は、ちゃめっ気たっぷりに笑った。「これで100個目でしょ!?」。勝利数でなければ、セーブ数でもない。開口一番に語ったのは、チームの失策数。ただ、責めるではなく、大台到達をプラスに捉えていた。
「一生、覚えているでしょう。うまくなってくれる。いい勉強になるね」。出番は3点リードの九回だ。先頭大和の打球を遊撃・木浪が悪送球。失策数は球団19年ぶりの100に達した。後輩のミスにギアが上がる。
続く柴田を直球で空振り三振に切ると、代打・佐野も真っすぐで遊ゴロ併殺に。「難しい?一緒、一緒」と、難なく試合を締めた。結果で後輩を救い、失敗から成長を願った。これで15セーブ目。クローザーに再転向後、失敗0と驚くべき安定感を誇る。
自責点0で通算防御率は脅威の1点台(1・997)に突入した。記録にこだわらない男が唯一、気にする数字。さらに、これで日米通算242セーブ目。あと8Sで名球会入りの資格を得る。打のレジェンドに殊勲は譲ったが、投のレジェンドも衰えぬ輝きを放つ。