横田 最後の“復帰戦”でレーザービーム 見守る選手、多くが涙

8回、ソフトバンク・塚田正義の安打を処理し、本塁生還を狙ったソフトバンク二走・水谷瞬を補殺する阪神・横田慎太郎=鳴尾浜(撮影・北村雅宏)
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 「ウエスタン、阪神4-2ソフトバンク」(26日、鳴尾浜球場)

 涙と笑顔の“最後”となった。引退セレモニーを行った横田が、背番号「24」を背負う。電光掲示板に輝くのは、2016年の開幕戦オーダー。「2番・センター 横田」のアナウンスと共に、目指し続けた場所・中堅へと駆け抜けた。

 何度も、何度も頭を下げる。「ありがとうございます、ありがとうございます」-と。そんな横田の元に、頼もしい先輩たちが向かった。同期入団の梅野を先頭に、中谷、高山、北條…。騎馬隊が結成された。マウンドへと向かうと、また深く頭を下げた。

 引退セレモニー…最後のあいさつが始まった。涙で顔はゆがみ、言葉には詰まる。それでも伝えたかった感謝の思い。「今までつらいこともありましたが、自分を信じて、今まで自分なりに必死に練習してきて、本当に神様は見てくれていると思いました」と話すと、高山や中谷ら…見守った仲間たちも多くが涙を拭った。

 1軍選手、2軍選手全員が駆けつけて、見送った横田の門出。福留、鳥谷、糸井らのベテラン選手も勢ぞろいで、最後の時間を分かち合った。矢野監督、両親らから花束が贈られ、同期入団の梅野からも花束が贈られた。「よう頑張ったね」と言葉をかけ、そっと抱き寄せた。

 騎馬隊を結成した4人の先輩たち。セレモニー後にも涙を拭い、横田の最後のプレーを絶賛した。本塁へノーバウンドのレーザービームで、二走の生還を阻止する姿を見て、「勇気をもらったし、また頑張ろうって思った。目に焼き付いたプレーだった」とは梅野。最初中谷は涙で言葉にならなかったが、「ああいう場面で打球が飛んでくるのがあいつらしい」と笑った。

 駆け抜けた阪神6年。全力疾走でポジションまで走り、全力プレーで勇姿を届けた。「やっぱりセンターから見る景色はきれいでした。諦めずにやってきてよかった」。目標が夢をつなぎ、現実となった日。背番号「24」の横田が、笑顔で宙を舞った。

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