「まだできる。トリ、笑顔だ」中日・門倉健2軍コーチが母校後輩を激励
今季限りでの阪神退団が決まっている鳥谷敬内野手(38)へ、先輩、後輩、恩師らからエールが寄せられた。新天地での現役続行を目指す鳥谷の“真の姿”を知る人たちが、激励の言葉を贈る。聖望学園の先輩で中日の門倉健2軍投手コーチ(46)が大事な後輩へエールを送った。
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特別な存在だった。俺にとっては大事な後輩で、野球界の宝。俺はいいと思うぞ。トリの選択。一つの球団でやることも確かに大事。でもな、他球団には新しい出会いだってある。それは鳥谷にとって、絶対に財産になると思うよ。
母校で野球教室をやったら、いつも一番人気は鳥谷。俺の方が年上でも、プレーヤーとしてお前は雲の上の存在だったよ。
俺が解説者だったころ、突然トリに呼び止められたんだ。
「門倉さん、今つらいんです。試合にも出られない、ベンチでどう行動したらいいのか…分からないんです」
弱音を聞いたのは初めてだった。お前は悩んでいるのに、俺は先輩として認められたような気がして…うれしかったんだ。偉そうなことは言えないけど、「楽しまなきゃダメじゃないか。お前が試合に出ているときの控え選手たちも、そういう気持ちだったんだから」って。こんな会話が少し誇らしかった。
鳥谷は子どもたちのヒーローなんだよ。夢を与えられる選手って、そういるもんじゃない。しかめっ面のヒーローじゃ、カッコ悪いだろう?
まだできる。トリ、笑顔だ、笑顔。しかめっ面でやるなよ、楽しめ。偉そうなこと言って、お前を目の前にしたら、言えなくなっちゃうんだけどな(笑)。