メッセンジャーが引退試合 中日大島を146キロで三振 鳥谷が花束を手渡す

投球を終え、阪神・鳥谷敬(手前)から花束を贈られ抱き合う阪神 ランディ・メッセンジャー=甲子園(撮影・高部洋祐)
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 「阪神-中日」(29日、甲子園球場)

 今季限りでの現役引退を表明した阪神のランディ・メッセンジャー投手(38)が、現役最後の登板に臨んだ。

 初回、守備に就く阪神の選手たちの名前が場内にコールされ、「ピッチャー、ランディ・メッセンジャー」のコールで甲子園は割れんばかりの大歓声に包まれた。左足をグラブでポンと叩き、小走りにマウンドに向かったメッセンジャーは、現役最後の“仕事場”に向かった。

 先頭・大島を迎え、初球は147キロの直球がワンバウンドしてボール。2球目も外れたが3球目は143キロ真っすぐで空振り。その後フルカウントとなり、6球目。高め146キロのストレートに大島のバットが空を切り、空振り三振に仕留めたところでマウンドを降りた。

 内野手全員が右腕に駆け寄り、ベンチからは矢野監督も就任後初めてマウンドへと向かってメッセンジャーをねぎらった。帽子を取って満員のスタンドのファンに頭を下げ、チームメートの鳥谷から花束を受け取ると、本拠地・甲子園は温かい拍手に包まれた。

 試合前練習が行われる前の午前10時頃。選手会長の梅野隆太郎捕手と、主将・糸原健斗内野手が「みんなで着よう」と発案し、選手たちは右腕の来日10年目を記念に作られた「I’m Finally 日本人」とプリントされた「メッセンジャー選手 日本人扱い記念Tシャツ」を着用してグラウンド入り。

 選手、トレーナー、球団広報が“メッセTシャツ”を身にまとい、センターバックスクリーン付近でメッセンジャー本人と記念撮影が行われ、温かい仲間たちのサプライズに本人は大喜びだった。

 日本通算98勝で100勝にあと2勝に迫っていた中での引退。長らく虎のエースとして君臨し続けた男は、全球ストレートで最後までファンを魅了した。

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