猛虎逆転CS王手 破竹5連勝!イケる行くんや!攻めダルマ矢野采配ズバリ
「阪神6-3中日」(29日、甲子園球場)
奇跡まであと1勝や!!阪神が5連勝で勝率を5割に戻し、CS進出に王手をかけた。30日の中日戦に勝てば、2年ぶりのポストシーズン進出が決まる。矢野燿大監督(50)は二回に投手・高橋遥の打順で代打・原口を起用するなど、序盤から“攻めダルマ”となってゲームを動かし、12安打6得点で快勝。メッセンジャーの引退試合に花を添えただけでなく、今後に希望をつなぐ1勝をつかんだ。
攻めて、ほえた。熱く激しいタクトを振り、選手が躍動で応える。4万6695人の胸を打つ5連勝。矢野監督は万雷の拍手の中、何度も拳を突き上げた。CS進出王手-。「いや、もうめちゃくちゃうれしいです」。負ければ終戦の崖っぷちから、奇跡へとつながる扉に手を掛けた。
メッセンジャーの引退試合と重なり、試合開始前からスタンドは満員。独特の雰囲気の中、ベンチ内には気迫みなぎる選手の姿があった。頼もしい姿勢に背中を押され、指揮官も攻める姿勢を貫く。二回には2番手・高橋遥に代打・原口を起用。これが12安打6得点への号砲となった。
0-0の五回、ネクストサークルには代打・鳥谷が待機していたが、梅野が凡退して2死走者なし。すると、鳥谷をベンチに下げて、一発がある陽川を起用。これが的中した。
左翼席へ先制ソロを放つと、矢野ガッツをしたままベンチを飛び出し、激しく両手をたたく。さらに自ら“ゴリラポーズ”でヒーローを迎えた。
六回1死満塁の場面は高山に対して、中日ベンチは左腕・福へスイッチ。代打起用の選択が頭をよぎる中、そのまま打席へ送った。
「打つことしか考えていなかった」と高山。中前2点適時打を放つと、右拳を握って一塁へ駆け出す。2軍で指揮を執った昨季、高山が苦しむ姿を矢野監督は見てきた。それだけに、大舞台での活躍に目を細める。
七回には1死一塁から大山がダメ押し2ランを放ち、「1点でも多く取らないといけないと思っていた」。開幕4番に起用した大砲が大一番で見せた一発に、チームの、そしてスタンドのボルテージは最高潮に達した。
今季最長タイの5連勝で勝率5割に復帰。3位・広島に並び、2年ぶりとなる甲子園勝ち越しに矢野監督は「(チームは)すごくいい雰囲気になっている」と言う。
30日・中日戦に勝てばCS進出、負けか引き分けなら2年連続Bクラスとなる。選手、ファンとともに戦い、たどり着いた143試合目。矢野阪神が奇跡を起こす。